20代でも<老害>になっているかも。「年下の上司」と「年上の部下」の関係性に隠れた危険とは?経営コンサル会社代表が解説
◆業務経験と人生経験 たとえば、60歳で定年を迎えた方が、以前から興味のあった業界でアルバイトとして働いてみよう、と、近所の飲食店で働き始めました。 その店には入店歴3年の大学生のアルバイトリーダーが君臨しており、「いらっしゃいませの声が小さい!」「何度言ったらわかるの!」「もっとさっさとやって!」とスタッフを怒鳴り散らしていました。 その様子を見ていた60歳の人が、休憩時間にアルバイトリーダーの人に「気持ちはわかるけど、怒鳴り声がお客さんのところに聞こえるかもしれないし、もう少し楽しくやってもいいんじゃないのかな」と意見をしました。 するとそのアルバイトリーダーの人は「私はここで3年もやっている、しかもリーダーですよ。あなたは自分が年上だからというだけで私のやり方に意見してくるんですか。それって老害じゃないですか? 私が年下だから馬鹿にしているんですか?」と言い返しました。 60歳の人は「確かに自分は業界未経験でこのお店にも入店したばかりだけど、人生経験は豊富だから皆のために良かれと思って言っただけなのに……。そっちこそ入店歴と経験を盾にした老害じゃないか」と思ったことでしょう。
◆現代の老害は年齢だけではない このケースのように「年下の上司(業務経験が豊富)」と「年上の部下(人生経験が豊富)」の関係性は、双方に双方のメンターとなれる要素がありますので、互いに敬意を持った関係性が築ければ「メンター&メンター」となり最高の組み合わせになります。 しかし反対にその関係性が築けないと「老害VS老害」で互いに攻撃し合う危険性もはらんでいます。 同様の例として、他社から引き抜かれてきた人材が中途入社でその会社のリーダーとして部下を率いていくとき「社歴の浅い上司&社歴の長い部下」という組み合わせになります。 この場合も、相互に補完し合い最高のチームになる可能性もある半面、反目し合ってバラバラなチームになってしまう危険性もあります。 現代の「老害」というのは単に年齢だけではなく、若い年代の人においても、十分キャリアを積まれて強みを持っている方でしたら若くしてメンターにもなる半面、若くして老害にもなりうる可能性があるということです。 ※本稿は、『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
前田康二郎
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