【闘病】「トリプルネガディブ乳がん」 後悔はあの時もっと詳しく検査しなかったこと
監修医師からのコメント:
寺田先生: 経過観察後に乳がんの診断がついた方は、「あの時にもっと詳しい検査を受けていれば……」と考える方は多いと思います。そこで、誤解が少なくなるよう、経過観察について少し補足説明をします。現実問題として、見つかった病変をすべて精査できるわけではなく、その背景には不必要な侵襲的な検査が増えてしまうという不利益があります。むしろ、そのようなケースが大多数です。そのために、侵襲の少ない検査でできるだけ良性らしいか悪性らしいかのあたりをつけています。また、病変が小さい場合はその病変の特徴が出にくいこともあります。そこで、「時間経過で大きくなるのか? 変わらないのか?」は非常に大きい情報量を持っています。仮に悪性だったとしても、この期間であれば、大事には至りにくい期間を置いて、戦略的に経過観察を選択して、「変化があるか・ないか」を診ることは非常に大切です。一方で、どの程度まで検査をしたいかは、個人の考えによるところが大きくなります。検査にもメリットとデメリットがありますので、そこを相談して検討するということが大切だと思います。
編集部まとめ
最初の精密検査で「良性」と言われていたのには驚かされました。また、ご自身の経験が大切な友人の命を救ったというエピソードも印象的でした。今後の回復をお祈りします。 なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
体験者プロフィール:
みのり さん(仮称) 1970年代生まれ。2020年11月に検診にて3mmほどのしこり(要再検査)を指摘される。マンモグラフィには写らず。再検査、経過観察などを経て2021年12月に乳がん告知を受けた。2022年2月に手術。術後抗がん剤を半年間行い、現在治療はなく半年毎の検査のみ。「おいしかったよ、ありがとう」と毎日言ってくれる高校生の息子のお弁当を卒業まで作ってあげるのが直近の目標。
記事監修医師:
寺田 満雄 先生(名古屋市立大学病院乳腺外科) 2013年名古屋市立大学医学部卒業。2017年愛知県がんセンター乳腺科部を経て、2019年より名古屋市立大学乳腺外科および名古屋大学分子細胞免疫学に所属。2020年より、より正確でわかりやすい乳がん情報を発信するために、「一般社団法人BC Tube」の立ち上げに携わり、同法人の理事となる。SNSを中心に乳がんに関する動画情報発信や乳がん啓発活動を行う。日本外科学会専門医、乳腺専門医。 ※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。