「娘に嫌われない方法を教えて!」→医師のアドバイスがド直球すぎて何も言えない…
娘のため、良かれと思ってアドバイスしたのに、ますます溝が深まってしまった……。このように思い悩む父親は多い。しかし、娘というのは「理解」を求める生き物。父親ができることは、常に機嫌良くいながら娘の言うことに耳を傾けることだけなのだ――。メンタルコーチで産業医のスポーツドクターが「娘に嫌われない方法」を伝授する。本稿は、辻秀一『メンタルドクターが教える 個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 娘に嫌われたくない父親が 肝に銘じておくべきこと すべてのお父さんは娘に嫌われたくないと思っているでしょう。私が次女の愛沙子と仲良しなのを多くの人が知っているので、よくこの質問をいただきます。 「娘に嫌われないようにするにはどうしたらいいですか?」 「娘に嫌われない方法を教えてください」 などなど。 私もそんな魔法は知りませんが、人間の仕組みを理解していると、そのリスクを軽減できるのではないかと断言できます。 娘との関係で知らないといけない仕組みこそ、「わかってほしい」という要求です。娘は特に感情をわかってほしいという思いが強い生き物です。 例えば、娘が何かを決めようと悩んで相談してきたとき、大切なのは、正解の選択肢の提案ではなく、悩んでいることへの理解なのです。 感情は、理路整然と説明しにくいものです。説明するのも簡単ではなりません。成長とともに認知的な脳が形成されていき、それに伴い、感情形成も豊かになります。 しかしながら、自分の感情をマネジメントできる非認知的スキルは、まだまだ育まれていないのが娘でもあります。 親の役割は、たくさんの感情が生じる娘の感情を引き出し、ただただわかってあげる存在になることなのです。
● 「感情をわかってもらう」ことは 自己存在感を育むことにつながる わかってもらえていない娘は、そこに生じるさまざまな感情を抱えて苦しむことになります。感情を無条件でわかってもらうことは、自己存在感を育むことにもつながりますし、学校をはじめとした社会に安心して出ていけることにもなります。 特にネガティブな感情をたくさん抱いているので、その感情をわかってあげることが重要です。 母親は女性同士なので、感情をわかってほしい欲求を知っていて、聴き上手な場合が多いかもしれませんが、父親はそれが苦手です。 聴いてあげるよりも、解決方法を提供したくなります。 娘が求めているのは、問題や課題の解決方法ではなく、感情への理解なのです。 悩みを解決するのと、悩んでいる心の状態をわかってあげるのは、それぞれに大事な親の務めだと言えるでしょう。もちろん、父親だからこその意見がほしい場合もあり、そのときは的確な答えも必要になります。 ● 父親はどんなときも 心の余裕を持たねばならない お父さん自身に余裕がなければ、聴いてあげて、わかってあげることができません。 この余裕とは、心の余裕です。時間やお金の余裕ではなく、自ら心の余裕をマネジメントできないといけません。