民事再生法とは? 破産騒動の「船井電機」も適用めざす、再建方法をわかりやすく解説
民事再生法の4つのデメリット
メリットの多い民事再生法だが、デメリットも存在する。民事再生法の適用申請で懸念されるデメリットを解説する。 ■会社の社会的信用・ブランドイメージが低下する 民事再生は会社を存続させるための手続きとはいえ、ニュースなどですぐに広まり、ネガティブなイメージがつくことは避けられない。 また、民事再生は経営陣が経営を継続できることがメリットの1つだが、経営を悪化させた当事者が企業に残ることに対する否定的な見方も一定数存在する。そのため、マイナスのイメージを与えてしまう。 ■再生計画が認められないと破産宣告を受けることがある 民事再生では、再建計画が認められないと、裁判所が職権で破産宣告を行うことがある点に注意しなければならない。結果的に、破産手続きに移行することもあり得る。いかに現実的で実行可能な再生計画を作成できるかどうかが、成功の鍵となる。 ■抵当権などの担保権が残る 再生計画が認められれば債務は大幅に圧縮されるが、債務に付随する担保権がなくなるわけではない。残った担保権については権利行使を行える。そのため、金融機関に提供している抵当権などの担保権が実行されれば、会社や代表者の自宅などを失うことにもなりかねない。 再生計画案が認められたとしても、計画に基づいて実行できなければ意味がないことを知っておく必要があるだろう。 ■適用を受けた企業の生存率は3割未満と低い 民事再生法のデメリットとして、適用を受けた企業の生存率が26.7%と3割に届かない点も挙げられる。認可決定を受けても実行できずに破産手続きに移行するケースや、スポンサー企業への事業譲渡、他社との合併、解散・廃業などにより、適用企業が消滅するケースも少なくない。 また、手続き保障の観点から倒産の事実を広く知られることになるため、取引の打ち切りや与信限度額の縮小、採用活動への影響などが懸念される。これらの要因も、生存率を低下させていると考えられる。