日本人の8割が「たんぱく質不足」で老化も加速⁉️ 医師が注目する食事法
健康を維持するためにはたんぱく質を摂ることが重要です。ところが、たんぱく質を含む食材を食べてもうまく吸収することができず、「食べているのにたんぱく質不足」という状態の人が増えてきているのだとか。そこで今回は、平島徹朗医師と秋山祖久医師による著書『たんぱく質と腸の新常識』(株式会社Gakken)から、たんぱく質不足を改善する食事法について少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
なんと日本人の8割がたんぱく質不足! 老化、肥満、不調が加速する!?
たんぱく質は体の材料になる大事な栄養素です。 にもかかわらず、なんと日本人の約8割以上はたんぱく質不足。この原因はいったい何なのか?クリニックで不調を訴える患者さんたちの栄養状態を調べ、問診をしているうちにその原因が見えてきました。 「たんぱく質を摂っているつもりが摂れていない」 これこそが、老化、肥満や糖尿病などの生活習慣病、さまざまな不調を加速させる大問題なのです。たんぱく質の大切さを再確認し、効果的に摂るための食事術を実践しましょう。
あなたはたんぱく質、しっかり摂れている?チェックしてみよう!
3つ以上当てはまる方は、たんぱく質の摂取量が足りていないか、摂取量は足りていても腸が栄養を正しく吸収できていない可能性大です。
“12時間の空腹”でたんぱく質の吸収効率が上がる! いま注目の食事法「ケトフレックス12/3」
私たちの体は飢餓を恐れます。体をつくるための材料や活動するためのエネルギー源が足りないと困るからです。そのため、体には飢餓を乗り切るためのシステムが備わっています。 実は、このシステムを上手に利用して、たんぱく質の吸収効率を格段に上げ、体にたくさんのよい影響をもたらす方法があります。 その方法が、認知症の予防や治療にも取り入れられている「ケトフレックス12/3(トゥエルブスリー)」という食事法です。 「ケトフレックス12/3」のルールはひとつ。 1日のうちで12時間断食し、さらに就寝の3時間前までに夕食を済ませること。 これだけで、飢餓の気配を察知した脳は、体内の脂肪を利用して「ケトン体」というエネルギー源をつくり出して蓄え、細胞は自らを分解、新生して自浄する「オートファジー」というシステムを発動 。細胞のターンオーバーが促進され、摂り入れたたんぱく質が有効に使われるという仕組みです。 「ケトフレックス12/3」のメリットは、たんぱく質を効率よく細胞のターンオーバーに使うことだけではありません。 12時間の空腹によってつくり出されるケトン体は、エネルギー源になりますが、糖のようにインスリンを使うこともなければ、血糖値を上げることもありません。そのため、朝食で糖質を控えめにしてもエネルギー不足になることもなければ、血糖値が急上昇することもない。空腹で迎える朝食は、食べすぎを助長して高血糖に陥りやすいため、血糖値を上げないケトン体の効果は願ったり叶ったりです。 さらに、オートファジーによって「脳内のゴミ」と呼ばれ、認知症を誘発するアミロイドβが減少します。これが「ケトフレックス12/3」が認知症予防に取り入れられている理由です。 実践に際して課題となるのは、「12時間の断食」と「就寝の3時間前までに夕食を済ませる」をどのようなタイムスケジュールで行うかです。12時間の断食なんて無理だと思われるかもしれませんが、睡眠時間を利用すれば案外難しくないことがわかります。