【40代以降の人生を豊かにするもの】「身につけるものへの投資」から「暮らしへの投資」へ〈ともさかりえ×行正り香対談〉vol.1
料理家でインテリアデザイナーの行正り香さんと、俳優のともさかりえさんは、17年来の親交がある良きお友達。そんなおふたりのスペシャルな対談が、行正さんの著書『人生を変えるリノベーション』の刊行を祝して実現! 4回にわたってお届けする“家”にまつわる連載、第1回のテーマはずばり「リノベーション」です。 【写真】憧れの行正流インテリア。「子どもが小さくてもテーブルセッティングはしっかりと」
リノベーションの初めの一歩。ともさか家の“模様替え”
行正 私たちが初めて会ったのはたしか、りえちゃんの息子さんが3歳で…… ともさか り香ちゃんのところが、4歳と2歳。ちょうど“4、3、2”と1歳違いだったんですよね。 行正 今でもよく覚えてるんだけど、最初の頃に「お友達になってほしいので、り香ちゃんって呼んでいいですか。私のことはりえちゃんでお願いします」と言ってくれたでしょ。私、なんて素晴らしいんだろうと思ったんです。たぶん、“〇〇さん”と呼び合っていたら、いつまでたっても世代の違いなんかの壁を乗り越えられなかったんじゃないかな。あれ以来、若いお友達に出会ったときには「私のことは“り香ちゃん”と呼んでね。私もあなたのことを“〇〇ちゃん”と呼ぶね」と、自分から言うようにしてるの。 ともさか ごはんを食べたり、ワインを飲んだり、一緒に時間を過ごすお友達になれたものね。ただ、あまり話らしい話をじっくりはしてこなかった気がする。何せ、話そうと思うと子どもたちが…… 行正 そう、いつも“事件”が起きてました(笑)。だから、わが家に来てもらっていても、かたわらにいつも子どもがいながら食事をして、それぞれおむつを替え合ったりして、気づいたら時間が来てしまってお開き、という感じだった。 ともさか そうやって長くお付き合いしてきた中でお家の変化も見てきたから、今回の新刊(『人生を変えるリノベーション』)には、私が出会ってから今に至るまでの、り香ちゃんの家の歴史が詰まってるな、とまず思いました。 行正 確かにね。知り合った頃の自宅から、リノベで作ったスタジオから…… そして私たちの“歴史”と言えば、子どもたちを連れて、一緒にIKEAに行ったこともありましたね。 ともさか ウチの模様替えのときですね。とにかく私は整理整頓がすごく苦手。何から始めればいいのか、どうすればいいのかわからなくて、ほぼ丸投げの状態でり香ちゃんに助けてもらいました。 行正 まずは下見にうかがったんですよね。「キッチンはこう整理しよう。玄関は……リビングは……」と部屋ごとに話し合うところから始めて。 ともさか そして、「いる? いらない?」と、り香ちゃんにものを振り分けてもらって、片付け作業に丸1日。 行正 (笑)。ふたり黙々と、頑張って働いたよね。子どもたちにディズニーの動画を見せて、テレビに釘付けにしておいて。それから家具の位置を調整したり。「じゃあ、足りないのは何かな?」と相談したときに、「セットになった食器があるといいね」ということからIKEAに行ったはず。揃いの食器があると、人を家に呼ぶのが楽しくなりますから。 ともさか 今はわからないけど、当時のIKEAって子どもたちを託児スペースに預かってもらえる時間が決まっていたから、店内をほとんど走るように回って。 行正 「コレとコレとコレを見つけよう!」と、必要なものを短時間で探して。“かぼちゃの馬車が待ってるシンデレラ”な気分でした(笑)。