教員の処遇改善に重点、教職調整額を5%に引き上げ 文科省、7年度予算案
文部科学省は令和7年度予算案で、教員の処遇改善のため、残業代の代わりに支給している「教職調整額」を現状の基本給の4%から5%に引き上げる。このための21億円(8年1~3月分)を含め、公立小中学校の教職員給与に充てる義務教育費国庫負担金として1兆6210億円を計上。教職調整額は段階的に増額し、12年度までに10%にする。 教員定数は5827人の増員。小学校の教科担任制を4年生に拡大するほか、事務作業を支援する「スクールサポートスタッフ(教員業務支援員)」は6年度と同様に全ての公立小中学校に配置できるよう人件費を補助する。 国立大の運営費交付金は6年度と同じ1兆784億円。大学院の国際競争力強化に向け19億円(新規)を盛り込んだ。宇宙・航空分野には1550億円を計上。基幹ロケット「H3」の高度化や打ち上げ回数を増やす体制を整える。 次世代のクリーンエネルギーとして期待される核融合発電の実現に向けた研究開発に206億円を計上。省エネルギーで計算能力の高い次世代半導体の開発や人材育成に50億円を積んだ。 スーパーコンピューター「富岳」の後継機の開発には8億円を充てた。科学研究費助成事業(科研費)は2379億円で、6年度当初比で2億円増えた。