「昇格のチャンスは薄い」角田裕毅に蘭F1専門メディアが注目…結果を残しても、レッドブルへの道が拓けない現状を客観的に考察|F1
角田のレース内容については「週末ごとにパッケージから最大限の力を引き出している」
VCARB角田が置かれている現状について、客観的にこう記している。 「ダニエル・リカルドが2023年半ば、当時のアルファタウリに復帰するとすぐに、リカルドと角田がレッドブルのセカンドシートをめぐって争うことになるのは明らかだった」 「簡単に言えば、負けてしまったら、レッドブル入りの望みが事実上終わるだけでなく、F1ドライバーとしてのキャリアも終わることを示すものだ。リカルドは中団に沈んだ一方、角田はポイントを積み上げ、これまでの8レース中5レースで入賞を果たしている」 「今のF1における競争状況を考えると、角田が時折表彰台に上がったり、ポイントをたくさん獲得したりすることはないだろう。それでもこの日本人は週末ごとにパッケージから最大限の力を引き出すことにより、(ヘルムート)マルコのドアを叩き続けている」
「レッドブルは2015年と2019年の両方で必要に迫られて、トロロッソでもう1シーズン必要だと感じたドライバーをシニアチームに昇格させた。フェルスタッペンとアルボンが上がった一方で、ダニール・クビアトとピエール・ガスリーの両者が辛酸を嘗めた」 「この両ドライバーは2年以内に昇格を果たし、レッドブルでもまずまずの成績を残した。だがともに、エリートチームのプレッシャーに対処する準備ができていなかったと言えるだろう」 「角田は今シーズンの開幕戦、バーレーンGPではケビン・マグヌッセンを攻撃するため、チームからリカルドを先に行かせるよう指示された。だがこの狙いは失敗に終わり、そのうえレース後にはリカルドとぶつかりそうになったことで、批判を浴びた」
ここから角田は巻き返しを見せ、確かな成長を示した。だが記事では「しかし、おそらく角田はレッドブルのシートを得るチャンスを一度も得たことはなかったのだろう」と、クリスチャン・ホーナーの“好み”ではなかったという点を強調した。 「角田は2021年、バーレーンGPでいきなりデビュー戦からポイントを獲得。華々しくスタートした。その後はトレーニングに対しての怠慢な態度やチーム無線で罵倒するような言葉を発していたこともあり、不調が続いた」 「レッドブルにとって若手ドライバーのオフトラックでのアプローチは、オントラックでのスピードと同じくらい重要だった。だが角田はその二つを両立させることができなかった」 「その年のメキシコシティでは、レッドブルの代表クリスチャン・ホーナーが、予選でレッドブルがクリアラップを取れず“我々は角田にやられた”と主張した。たとえホーナーがその後にコメントを撤回したとしても、それは本当に自グループのドライバーに対して、代表が口にできる言葉なのだろうか」 この一件は2021年メキシコGP予選Q3でのこと。このレースで角田はパワーユニット交換のためにグリッド降格がすでに決まっている状況だったが、当時の僚友ガスリーを少しでも上のグリッドに押し上げるため、Q2、Q3と、トウを使わせるなど尽力した。そしてペレスのアタック中、角田はメキシコ人ドライバーを邪魔しないよう、セクター3でコース外に退避した。 ペレスはここでレースラインから外れてアタック失敗。その後ろからやってきたフェルスタッペンも速度を緩め、ベストラップを刻めずにメキシコGPでレッドブル勢は予選3-4だった。メキシコ人ドライバーは予選後に「角田の後ろでダウンフォースを失った」という言葉も発している。 この一件で角田はホーナー代表の苦言だけでなく、ペレスの地元メキシコだったためにレッドブルファンからも批判対象に。本人はSNSで「あの状況でそれ以上のことは何もできないよ……」とメッセージを発信していた。 この件についてはヘルムート・マルコ博士から「ユウキ、お前は何も悪くない」と直接伝えられたほか、ライバルチームのメルセデスから「頭を上げてユウキ。ヘイターの言葉に耳を傾けることはない」とSNSを通してフォローが入る状況となった。