U-19日本代表に”多国籍”の異色逸材…前田ハドー慈英と高橋センダゴルタ仁胡
日本サッカー協会(JFA)は23日、今月下旬からフランスで開催されるモーリスレベロトーナメントに臨むU-19日本代表メンバー23人を発表した。冨樫剛一監督はJリーガーや大学生、Jクラブのユースに所属する高校生に加えて、ヨーロッパでプレーする3人を招集。そのうちDF前田ハドー慈英(18、ブラックバーン/イングランド)とDF高橋センダゴルタ仁胡(16、バルセロナ/スペイン)は海外で生まれ育った多国籍選手で、日本代表としてプレーする意思をJFAへ伝えた点で異色の選出となった。
これまで複数の国籍を持つ選手に関する情報をJFAは把握しきれていなかった
旧名称のトゥーロン国際大会を含めて、半世紀近い歴史を誇るフランス南部でのトーナメントへ臨むU-19代表に、異色の輝きを放つホープたちが招集された。 2003年1月1日以降に生まれた選手たちで構成される若き日本代表。その対象が実績のあるJリーガー、大学生、トップチーム昇格を目指すJクラブのユース所属の高校生だけでなく、ヨーロッパでプレーする選手たちにまで広がった。 年代別の代表とは無縁だった前田と高橋、昨年U-18代表候補に名を連ねたFW二田理央(19、ヴァッカー・インスブルック/オーストリア)の3人に対して、23日の技術委員会後にメディア対応したJFAの反町康治技術委員長はこう言及した。 「この世代でも海外に所属している選手を招集できる時代になってきたことを、個人的にも非常にうれしく思っている。そうしたなかでまた競争を繰り広げて、いい日本代表、いい活動につなげていってほしい」 感慨深げな反町技術委員長の視線は、特に前田と高橋へ向けられていた。 大分県生まれの二田は、サガン鳥栖U-18に所属していた昨年6月に鳥栖とプロ契約を結び、直後にインスブルックへ期限付き移籍した。U-19代表を率いる冨樫監督とは、昨年に二田が選出されたU-18代表候補での指導を介して面識がある。 対照的に外国人の父親と日本人の母親を持つ前田と高橋は海外で生まれ育ち、海外のクラブでステップアップ。いま現在は前田がブラックバーンのU-18に、高橋がバルセロナのフベニールB(U-18)に所属して心技体を磨いている。 海外の年代別チームに所属していて、かつ日本にもルーツを持っている選手は「正直、何人もいる」と言う反町技術委員長はさらにこう続けた。 「(高橋)仁胡のように日本に住んだことがなく、それでも日本語をしっかりしゃべることができる選手もこれからどんどん出てくる。まあ、仁胡は関西弁ですけど」 ただ、日本を含めて複数の国籍を持つ選手に関する情報を、その存在を含めてこれまでJFAは把握しきれないでいた。一方で各国サッカー協会は、多国籍選手の発掘を戦略的に行っている。実際、高橋は昨年5月にU-16スペイン代表でデビューしている。