U-19日本代表に”多国籍”の異色逸材…前田ハドー慈英と高橋センダゴルタ仁胡
すでにU-16スペイン代表でデビューを果たしている点からも、将来性を見込まれた逸材といっていい。約3年前に抱いていた初志を、今回のU-19代表への初招集で貫いた高橋と反町技術委員長は、4月に実際に会って話し合いの場を持っている。 JFAは4月14日に、ヨーロッパ視察中の森保監督、反町技術委員長がコロナで陽性反応を示したと発表した。前者はデュッセルドルフで、後者はバルセロナでそれぞれ検査を受けたが、まさに高橋に会いにいったときだった。反町技術委員長が続ける。 「バルセロナの(フベニールBの)監督が、たまたま私が(引退後に)バルセロナへ勉強に行ったときの選手で。思い出話をした最後に、高橋本人の意向も含めてそういう時期が来て、日本サッカー協会としてオファーをしたときにOKしてくれるか、と聞いたら『ウチには海外の選手も多く、招集された場合にはOKしている』と。じゃあお願いしますという感じで、そうした成果がちょっとずつ表れていると言っていいですよね」 ヨーロッパオフィスから届けられた映像を介して招集を決めた冨樫監督は、正式発表を前に前田、高橋とウェブミーティングを実施。前田の丁寧な敬語に、高橋の生粋といっていい関西弁に「日本語の習得にも一生懸命トライしている」と感心した。 言語を含めたコミュニケーションは問題ない。あとは日の丸への思いを共有しながら、幼少期から経験してきた文化や教育、習慣などの違いを越えて、ひとつのチームとしてお互いを高め合っていけるか。その先に待つ姿へ反町技術委員長は期待を寄せた。 「オールJFAでやってきた成果として、彼らがあと何年後かにサムライブルー(A代表)で活躍するようになってほしいし、そのための基軸になっていければ」 U-19代表は26日に日本を出発。フランスで合流する前田、高橋、二田とピッチの内外で融合を図りながら、31日にアルジェリア、6月3日にコモロ、6日にコロンビア、そして順位決定戦と日本代表の未来をうらなう戦いに挑んでいく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)