コスプレがアーケード商店街を救う? JR清水駅前で「世界大会」
一方、清水駅前銀座商店街の商店主で組織する振興組合では、商店街を活性化させる方策を模索していた。両者の思いが合致し2013年に第1回のコスプレ世界大会が実現し、今回で5回目を迎えた。 大会では、事前審査によって選ばれたプレーヤーたちが商店街に設けられたステージでパフォーマンスを披露するプログラムなども行われたが、コンテスト形式ではなく、基本的にはコスプレを楽しむ人たちが一堂に会し、それぞれのコスプレを鑑賞したり、写真に撮ったりして楽しむ大会なのだという。
年々人気が増しており、昨年は2日間で1400人のコスプレーヤーが参加、計3万3000人が訪れ、今年の参加者は昨年をさらに上回っているという。清水といえば、清水港が中国クルーズ船の母港となり、観光の港としての機能も充実しつつある。また、漫画やアニメで人気の「ちびまる子ちゃん」のミュージアム「ちびまる子ちゃんランド」などレジャー施設も充実している。 コスプレ世界大会などのイベントとの相乗効果で清水一帯を活性化していくことへの期待感が地元にはある。富士山コスプレ世界大会当日は、清水港周辺でも多くのコスプレーヤーの姿があり、富士山や清水港をバックに撮影をしている光景が見られた。
地域のイベントとして成功を収めている富士山コスプレ世界大会だが、商店街の活性化という点ではどの程度の効果をあげているのだろうか? 大会実行委員会の関係者によると、コスプレの衣装に着替える際に利用する更衣室を商店街に設置し、その利用料の一部を商店街店舗の利用券としてコスプレーヤーに還元することで、訪れたコスプレーヤーたちに商店街で買い物をしてもらえるよう工夫をしているという。 また、コスプレ商店街として知名度があがり、サブカル系の店舗が出店するなどの効果が出ているという。商店街振興組合の杉山治理事長は「多くの人に清水駅前銀座商店街の名前を知ってもらうきっかけになっています。効果はその後に出てくると思います。『昔はよかった』ではなく、自分たちの力で多くの人が訪れる商店街にしていきたい」と話していた。