日テレ、TBSに続きフジテレビも開始した無料見逃し視聴サービス 今後の業界動向は
2015年1月13日、フジテレビが無料見逃し視聴(キャッチアップ)サービス「プラスセブン」を開始しました。これは、対象となっている番組を放送終了後から1週間無料でインターネットで視聴出来るというサービスです。PCやスマホといった好きな機器から何時でも、好きな時に、好きな機器で見逃した番組を視聴出来るようになります。 今までにも有料でインターネットから視聴可能なサービスはありましたが「無料」であること、「放送直後の最新のコンテンツ」が対象となっていることが特色です。昨年1月7日から、日本テレビが同サービスを開始し、10月9日にTBSも追随、フジテレビが三社目となります。これで、民放キー局と呼ばれる五社のうち、三社が無料見逃し視聴サービスを開始したことになりました。 先行する二社の動画再生数は、日本テレビは開始3か月で1,300万回を超え、TBSも1,500万回を超えたと発表しています。一般的にYouTube等で一つの動画が100万回も視聴されることは大変珍しく、テレビコンテンツには非常に強いニーズがあることがうかがえます。
各社の配信コンテンツ
各社のコンテンツ配信内容は、下記の通りです。 ・日本テレビ ドラマ2、バラエティ5、情報番組6、アニメ1の計14本 ・TBS ドラマ4、バラエティ1、情報番組2の計7本 ・フジテレビ ドラマ3、バラエティ3、情報番組1の計7本 ドラマはテレビ局にとって視聴率の期待出来る重要なコンテンツ。しかし、一話でも見逃してしまうと、次回の視聴も「まぁいいか」となってしまうもの。見逃し視聴のメリットが視聴者にも分かりやすく、再生回数も稼げるため各社共に取り揃えています。 興味深いのは先行する日本テレビです。朝の情報番組ZIPから、MOCO'Sキッチン、おはようハクション大魔王、にっぽんわくわくキャラバンの箇所を抜粋して配信し、一番組をコーナ毎に分割して閲覧出来るようにして、視聴者が見たいコンテンツを探しやすくする工夫を行っています。また、1分から94分まで「幅広い再生時間」を取り揃えており、動画配信に向いているコンテンツや再生時間の評価を行っているように見えます。 インターネットを活用した動画配信にはインフラ維持費用も発生するため、全てのコンテンツを見逃し視聴対応にするのは多額の費用が必要となります。そのため、どのコンテンツを見逃し視聴対応にするかを決めるのも重要です。本放送を単純に再配信するだけでなく、インターネットと相性の良いコンテンツや、見せ方のノウハウが各社の差別化要素になるでしょう。