ラーメン山岡家の噂、結界マップ 「国道16号内側にはない」を検証
噂「国道16号線の内側にはない」は本当か
そして、出店場所の多くが主要幹線道路沿いにあるという「ロードサイド型」である点も人気を支える。1号店となる牛久店は国道6号線沿いにあり、以降、ロードサイドへの出店を続け、熱量の高いファンを増やしてきた。 そうした出店の理由はクルマの激しい交通量、すなわち多くの見込み客を期待できるから。また山岡家の味を好むトラックドライバーが運転するクルマを止める駐車場を広く確保しやすいという理由もある。そのため、関東エリアの出店分布を指して「国道16号線*の内側にはない」という噂がSNSでささやかれたほどだ。 *都心から半径約30km圏にある東京近郊の都市を結ぶ環状道路(全長約330km)。「国道16号線の内側は都会、外側は田舎」というイメージを持つ人もいる これについて大島氏は、「現在、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城に48店を展開していて、そのうち7店は国道16号線の内側。ただ、裏返せば残り41店は国道16号線沿い、もしくは外側ということになる」と苦笑する。 では、今後の展開として東京・渋谷などの繁華街、あるいは大型ショッピングセンターのフードコートなど、飲食チェーン店が好んで出店する場所への進出はあるのか。そんな興味が湧くが、今のところ、具体的な話は出ていないという。 実は、あまり知られていないが、かつて山岡家は都心部への出店に挑戦した歴史を持つ。09年に東京都23区内第1号店として高田馬場店(新宿区)を出店し、その後、池袋エリアにも店を構えた。しかし閉店という結果に終わっていて、理由は先述の「味への追求」が関係する。 「スープに最適化させたストレートの太麺はゆでるのに7分*かかり、店が混み始めるとラーメンの提供に20分かかる場合も。例えば東京のオフィスワーカーがランチタイムに当店を選んだ場合、残りの昼休み時間がとても短くなる。オフィス街や繁華街特有のニーズと当店はうまくマッチしないというのが、今のところの結論。今後もロードサイドへの出店を着実に進めていきたい」(大島氏) *ゆで加減が「普通」の場合
平田 秀俊