オリックスは未だゼロ。セ・パ、ホームラン格差のなぜ?
セ、パに珍しい逆転現象が起きている。野球の華とも言える本塁打数だ。6日の試合終了時点で、セ・リーグの総本塁打数が46本に比べて、パ・リーグのそれは半数の23本。しかも、楽天が5日のオリックス戦で後藤光尊(38)に1本が出て、ようやく本塁打なしの異常事態を解消したが、オリックスにいたっては今なお、チーム本塁打はゼロ。 昨季、12本塁打を放ったカラバイヨをリリースして、モレル(28)、ボクセビック(32)の新外国人を獲得したが、彼らにまだ一発は出ていない。ドラフト1位の吉田正尚(22)も、一発の魅力を秘めてはいるが、ルーキーに一発を狙えというのも酷だ。オリックスは昨年もチームで20本以上を打った打者が存在せず、糸井嘉男(34)の17本が最多だったチーム。一発不足はチームの課題だが、それでも通算94本は打っていた。 昨季のシーズン終了時のセ、パの本塁打数は、パが647本、セが571本で、パが圧倒した。12球団トップはソフトバンクの141本、西武が136本で2位につけ、逆に最下位が中日の71本でブービーが阪神の78本と“パ高セ低”だった。それが開幕直後と言えど逆転現象。一体何が起こっているのだろうか? パ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興さんは、「パで、本塁打を稼いだ昨年のソフトバンクと、西武では誰が打っていたのか。ソフトバンクは31本を打ったイ・デホがメジャーに移籍したこともあるが、トリプルスリーの柳田が1本、自己最高の35本を打った松田は、まだ打てていない。 また西武も、37本を打ったおかわり君が1本打ったが、27本のメヒアがゼロ。楽天、オリックスは、昨年から本塁打不足がチームのテーマでそこに新外国人を獲得したわけだが、彼らがまだ対応できていない。つまり打つべき人が打てていないのが、パの本塁打が少なくなっていることの原因。 パの投手には、実力者が揃っているが、それよりも全般的にパの打者が、開幕に調子をピークに合わせることができていなかったのが大きい影響を与えていると思う。例えば、オフに肘の手術をしたソフトバンクの柳田は、本来まだ守備につける状態ではないが、チーム事情で仕方なく開幕からセンターに入っているという状況もある」という分析をしている。