データでみるJリーグ 2ステージ制の行方は?
2004年シーズン以来11年ぶりとなる2ステージ制に制度を変更したJリーグ。ステージごとに王者が決まる今シーズンは、開幕から浦和、広島、鳥栖が2連勝を飾り1stステージ優勝へ向け幸先の良いスタートを切りました。今回は、J1リーグの制度変更の変遷を振り返るとともに、2ステージ制時代の過去データから今季の行方を占ってみたいと思います。
J1リーグの制度変更について
まずはJ1リーグの制度変更について。表1にはその変遷をまとめました。93年に10チームで開幕したJリーグは、2ステージ制を採用し、ステージごとにホーム&アウェーを実施。さらに90分を戦って同点の場合は延長戦(Vゴール)、それでも決着がつかなかった場合はPK戦を行う完全決着方式を採用していました。そして順位においても、現在の「勝ち点制」ではなく、「勝利数」(95年から)で決定するなど、J開幕当初のファンにとって「分かりやすい」をモットーとした制度は、今とはずいぶん異なったものでした。
その後、96年に1度は「通年制」に変更されたものの、翌年再び「2ステージ制」に変更。その際、チーム数の増加とともに増え続けた試合数(最大で95年の52試合)も考慮して、ステージごとにホーム&アウェーだったものを各ステージ1回戦総当たりに変更(年間でホーム&アウェー2回戦総当たり)、試合数が半分に減少されました。しかも97年は参加チーム数が奇数の「17」になるなど、リーグの迷走ぶりがうかがえます。
99年からは16チームによる2ステージ制(各ステージ1回戦総当たり)が定着。PK戦、Vゴール、そして延長戦の廃止などを経て、国際サッカーの基準である「通年制」に合わせるというJリーグの意向で05年からは再び「通年制」へ移行。 そして今年15年シーズンからは、モデルチェンジを施した「2ステージ制」が満を持して3度目の登板となったわけです。スポンサー収入の増加やファン拡大などが目的に挙げられる今回の2ステージ制。これまでとの相違は、ステージ覇者同士のチャンピオンシップから年間勝ち点1~3位までを加えた5チームでのプレーオフを実施する点です。次項では、ステージ制に変更となった今シーズンの行方を、過去データをもとに分析してみたいと思います。