【有馬記念】レガレイラ、ハナ差の激戦制し64年ぶり史上2頭目の3歳牝馬V 戸崎圭太騎手「今後はもう可能性しかない」
戸崎圭太(44)=美・田島=騎乗で5番人気のレガレイラがハナ差の接戦を制し、昨年のホープフルS以来となる復活の勝利を飾った。3歳牝馬の優勝は、1960年スターロッチ以来64年ぶり史上2頭目。2着は10番人気のシャフリヤールで、3着は逃げた2番人気のダノンデサイル。1番人気のアーバンシックは中団追走から伸び切れず、6着に終わった。 苦闘の末に、激闘の果てに、歴史的快挙が生まれた。3歳年上の日本ダービー馬シャフリヤールとのし烈な追い比べ。戸崎騎手の渾身(こんしん)の右ムチに死力を振り絞って応えたレガレイラが、わずか18センチ先にゴールへ飛び込んだ。64年ぶり、史上2頭目の3歳牝馬戴冠。初騎乗で偉業をサポートした鞍上は寒空のもと、顔を紅潮させて喜びをかみしめた。 「最後はもう必死で、気持ちで負けないでおこうと追っていた。ハナ差、出てくれたのはレガレイラの力。感謝しかありません」 ダノンデサイルが逃げる展開にも「前の馬の並びはだいたい想像通り」と慌てず動じず、狙っていた前めの位置でリズムを刻む完ぺきなエスコートを見せた。自身のグランプリ制覇は2014年ジェンティルドンナ以来、10年ぶり2度目。「根性がすごかったジェンティルドンナと違って、(レガレイラは)気持ち的にすごく女の子らしい優しいタイプ。でも、勝負どころで強さを出してくれた。今後はもう可能性しかないでしょう」と若きパートナーの輝ける未来を思い描く。 「この一年、皆さんが納得してくださるであろう走りができていなかった。最後に本来のものをレガレイラと表現できて非常にホッとしています」 木村調教師は一昨年のイクイノックス以来となるGP2勝目にもどこか神妙な面持ち。昨年のホープフルSで鮮やかな牡馬斬りを果たし、世代を席巻する期待を背負ったが、その後は前走・エリザベス女王杯(5着)まで4連敗。しかし、力を信じて送り出した大一番で歴史に名を刻んだ。 「1年前の彼女と違って、落ち着いたなかで立ち振る舞っていたので、非常に頼もしく見えました。(64年ぶりの3歳牝馬Vは)すごいこと。きょうは全ての出走馬の中で一番、運を引き込んだと思います。ドウデュースが引退するということですし、来年は彼女が中央競馬を引っ張っていく馬の一頭になろうかと思います。それを体現できるようにサポートして育んでいきたい」