【東京大賞典】フォーエバーヤングを「大谷君」と呼んでいます!矢作調教師が語る大井競馬「瑠星も俺もふるさとですから」
[GⅠ東京大賞典=2024年12月29日(日曜)3歳上、大井競馬場・ダート2000メートル] 【写真】壮観の並び!フォーエバーヤングとの撮影に収まる藤田晋氏、坂井瑠星、矢作調教師 年末恒例のダート王決定戦・東京大賞典が29日に大井競馬場で行われる。豪華メンバーが顔を揃え、大いに盛り上がりそうだが、なかでも注目は10月に3歳ダート3冠最終戦・ジャパンダートクラシックを制し、11月には米BCクラシックで3着に入ったフォーエバーヤングだ。同馬を管理するのは、父が大井競馬の調教師だったことでも知られる“世界の名伯楽”矢作芳人調教師。レースへの意気込みを聞いた。 ――まずは前走BCクラシック(3着)を振り返ってください 矢作師 やっぱり枠順(最内1番)で作戦が狭められましたね。(枠が)外だったら、あそこまで行かなくてもよかったんだけど。ただ、本当に世界でもトップの強いメンバーを相手に、負けたけれどいい競馬だったと思っています。 ――ケンタッキーダービー(3着)も含め、世界最高峰の舞台で上位争いを続けてきました。改めてこの馬の良さは 矢作師 俺らは“大谷君”と呼んでいるくらいの体の頑健さ、頑強さというのかな。そこが一番で、あとは最初のころは砂をかぶるとちょっと問題があったんだけど、今はどんな競馬でもできる。そこはすごく信頼性が高いですね。 ――父のリアルスティールも自身が管理していた中で、これだけの産駒が出てきました。そのあたりへの思いは 矢作師 リアルスティールはディープインパクト産駒の中ではパワータイプだったのでダート(を走る子)も出すだろうなと思っていたんだけど、やっぱり他の種馬の子とは違う感慨深いものがありますね。 ――その父は晩成タイプだった 矢作師 そうなんですよ。今でもいい馬ですけど、まだ良くなるというぐらいに思っています。お父さんはいろいろと苦労させられた馬でしたけど、それに比べるとヤングのほうがよっぽどいい子。全然いい子です(笑い)。 ――この1年で成長を感じる部分は 矢作師 去年の川崎(全日本2歳優駿1着)でのパフォーマンスを見て、かなりのものだと思っていましたけどね。GⅠを取るような馬って自分たちの想像を超えていくんですよ。やっぱり想像を超えてきたなというふうに思っています。 ――主戦の坂井騎手の成長についても 矢作師 今、あいつが乗って負けたら、ほとんどのレースが納得いくというかね。非常に自分が見ていても納得できる騎乗ができるジョッキーになったと思います。 ――まだ国内では負けていない 矢作師 そうですね。そこも思っています。負けてはいけない、と。日本には敵はいないとか大きいことを言ったのでね。それを実行できるようにしたいと思います。 ――地元・大井(父は大井の調教師)でのビッグレース。特別な思いは 矢作師 やっぱり(父が大井の元騎手で調教師の坂井)瑠星も俺もふるさとですから。大井の競馬を盛り上げたいという意味もあります。小さいころから(年末といえば)中央の人は有馬記念だけど、大井の人間は東京大賞典なのでね。それを少しでも盛り上げたいと思いますし、そこに向けて少しでもいい状態になるように頑張って仕上げたいと思います。
西谷 哲生