動いた”番長”と鎮めた矢野監督…なぜ横浜DeNAは阪神に逆転勝利できたのか…徹底された打撃戦略と一体感の明暗
矢野監督は、西にゲームを預けた。 「本来の感じじゃなかった」(矢野監督)という西の不調を把握していたにもかかわらず5回、先頭の大田に二塁打を打たれ、一死からソトにボールが抜けて死球を与え、一死一、二塁から通算対戦打率が4割を超え、前の2打席も完全にタイミングが合って痛打されている宮崎を迎えても動かなかった。 ゲームを動かそうとした三浦監督とゲームを鎮めようとした矢野監督。2人の「勝負勘」の違いが最終的にはゲームの明暗を分けたのである。まだ横浜DeNAは借金「2」を抱えているが、5割復帰が見えているチームと借金「14」に苦しみ目標を持ちにくいチームの違いとも言えるのかもしれない。 横浜DeNAは、本来ならばヒーローインタビューに呼ばれるはずの4安打した宮崎が8回に二塁へ滑り込んだ際に左足の太もも裏を痛めて途中交代した。場所が場所で、トレーナーの肩を借りなければベンチに下がれないほどの状況だったから、今日からのスタメン出場は難しいかもしれない。だが一方で肘のクリーニング手術を終えたオースティンが再来日。イースタンの巨人戦では、故障で出遅れていた今永昇太が2度目の先発をし、5回を80球1安打に抑える好投を見せ、新型コロナの陽性反応で離脱していた戸柱恭孝、牧秀悟、倉本寿彦が実戦復帰するなど、そろそろメンバーの揃うプラス材料も出てきた。不安定なチーム状況の中でどこまで踏ん張れるかの状況は両チームとも同じ。共に残り2試合が大事になってくる。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)