「私はとても恐怖を感じている」住民は泣き出した 海面上昇に直面するキリバスのいま
キリバスの温室効果ガス排出量は世界の0.0002%
海面上昇に対して、キリバスの人々は防潮壁を作ったり、土囊を海岸線に積み上げたりして対策をとっている。しかし、土囊はもって4カ月。中の砂は流され、役に立たなくなる。 防潮壁も大潮が来て壊れることもしばしばだ。貧しい人たちは、木々の葉やゴミを海岸線に積み重ね、少しでも海水が自宅などに入り込むのを食い止めようとするものの、一時しのぎでしかない。 ユニセフのキリバス事務所の所長、ニック・シュドーさん(40)は「キリバスは気候変動が世界にもたらす危機の最前線にいる。しかし、彼らが原因を作っているわけではない。だからこそキリバスの人々と子どもたちを支援する必要がある。キリバスがこの危機に対応できれば、それはほかの国々にとっても見習うべき先進例になるはずだ」と話した。 世界銀行のデータによると、最も気候変動の影響を受ける国のひとつであるキリバスの温室効果ガスの排出量は世界の0.0002%に過ぎない。 気候変動を引き起こしているのは、彼らではなく、先進国に住む私たちだ。 最近は、全世界のあちこちで異常気象が続いている。気候変動の問題は、決してひとごとではない。
朝日新聞 with Planet