「やむを得ず専業主婦に」 育児や介護、夫の転勤など“誰かのために”仕事を辞める妻
結婚・出産後も仕事を続けるか。これは女性やその家族にとっても、その後の人生に大きな影響を与える選択である。アエラが実施したアンケートの結果は。AERA 2024年11月11日号より。 【図表を見る】第一子出産後も就業継続する女性は増えている * * * アエラは9月から10月にかけて「専業主婦と働く女性」をテーマにオンラインでアンケートを行った。 「母が出産後からずっと専業主婦で、私も働かないのが自然の流れとして専業主婦をしています」(埼玉県、40歳)、「夫のお給料で生活していけたから」(愛知県、51歳)という人もいたが、「保育園に入れなかったため」(東京都、50歳)、「上の子が1年生のGW明けから小学校に行けなくなり、毎日『ママといたい』と泣くようになったことから仕事を一度辞めました」(神奈川県、40歳)と、やむを得ず専業主婦になったという人も多かった。 栃木県に住む女性(46)も、そのひとり。20代後半で結婚して2年後に長女を出産。3年後に次女、そのさらに3年後に三女を産んだ。幼い子どもはすぐに体調を崩すが、実家は遠方のため頼れない。子どものころから「ずっと続けられる仕事に就きたい」と思っていたが、長女の出産を機にやむを得ず退職。専業主婦生活になった。 子どもはかわいかった。でも、家事と育児だけをしている生活をもの足りなく感じ、「このままでいいのか」と悶々とする日々だったという。 両親は銀行員同士だったが、母は結婚を機に退社したと聞かされていた。「母が父より2~3歩下がっている姿を見ていて、違和感があった」。一方で、効率的に物事をこなし、コミュニケーション力も高い母親を見ていて「仕事を続けていたら、お母さんのほうが出世して社会貢献できていたのでは」と感じていたという。 ■誰かのために生きる そんな両親を見てきたからこそ、同じ年の夫とは「友達のような関係で横に並んでいたい」と思っていたのに、専業主婦になると夫に対して引け目を感じてしまうことにも気づいた。