部下の90%が動く、今日からできる「話し方改革」 部下のタイプに合った従いやすい指示の出し方
「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」 「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」 ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。
本記事では、マネジャーの指示に対して部下が従いやすい指示の出し方を、「話し方改革」として解説する。その際に、部下を7タイプに分類することで、それぞれに対応する話し方を提案していく。 ■「話し方改革」基本の3タイプ 部下は指示に対する反応の速さに応じて7タイプに分類できる。最初から7つすべての解説をするのではなく、まずは基本の3タイプを紹介しよう。 (1)自燃人(じねんじん)→すぐに燃える人 (2)可燃人(かねんじん)→すぐには燃えない人
(3)不燃人(ふねんじん)→ほぼ燃えない人 たとえば、 「これまでは既存のお客様対応が中心だったが、今後は新規開拓をメインにやっていこう。理由は3つある……」 と、このように説明されて、 「わかりました。やります」 と即答するのが「自燃人」だ。自燃人は3種類に分けられ、それぞれにアフターケアの仕方が変わるが、それは後述する。 とにかく変化スピードが最も速いメンバーを「自燃人」とカテゴライズしよう。しかし自燃人は通常、1~2割ぐらいしか存在しない。8~9割は「自燃人」以外である。だから、いつも1回や2回しか指示や依頼をしない上司は、
「わが社には、不燃人ばかりだ。可燃人なんていない」 とレッテルを貼ってしまう。しかし私は現場に入って組織の空気、風土、文化を変えるコンサルタントだ。可燃人と不燃人の見分け方を知らないから、そのようにレッテルを貼ってしまうのである。 ■2種類の可燃人とは? 働きかけても、なかなか行動が変わらない相手を見ると「みんな不燃人だ」と言いたくなるのはわかる。しかし、実際はそうではない。可燃人と不燃人の違いを詳しく解説していきたい。