部下の90%が動く、今日からできる「話し方改革」 部下のタイプに合った従いやすい指示の出し方
自燃人は主に以下の3つのタイプに分けられる。 (1-1)エリート自燃人 →知的で洞察力があり、上司の指示を迅速かつ効率的に実行する。彼らは上司にとって強力な支援者であり、その的確な判断で組織内でも尊敬されている。 (1-2)ピュア自燃人 →素直で純粋、指示されたことを疑わずに実行するが、その単純さゆえに応用力に欠けることがある。指示に従うことで上司にとっては都合が良いが、創造的な解決策を期待するのは難しい。
(1-3)クセのある自燃人 →感覚的に行動し、上司の指示に忠実に従うが、その執着心や粘着性が特徴的。目標達成のためなら、標準的な方法を超えた努力を惜しまない。彼らの行動力と情熱は組織にとって非常に価値があるが、自己中心的な行動が問題となることもある。 ピュア自燃人やエリート自燃人と比べ、クセのある自燃人は上司にとって心強い存在だが、その承認欲求の強さから特別な扱いを求めることが多い。多くの場合、「君だけが私の力になる」と感じさせることで、彼らの最大のパフォーマンスを引き出すことができる。しかし、これを怠ると、彼らはこじらせ不燃人へと変わりうる。愛の反対は憎しみであり、そのバランスを取ることが組織運営のカギとなる。
■「その気」になる5つの理由 自燃人、可燃人、不燃人に沿って7つのタイプに分けて特徴を説明してきた。次に、各タイプをどうしたら動機付けられるか、その方法と注意点をまとめる。 タイプ別の動機付けは次の5つの理由に基づく。 (A) 指示内容が組織の目的に合致し、妥当であるため (B) 指示内容を厳密に検討し、妥当であると判断 (C) 総合的な利益を考慮し、指示に従う方が良いと判断 (D) 周囲も従っているため
(E) 上司の指示であるため 各理由は論理性の高低に応じて分類される。以下、各タイプに最も効果的なアプローチを解説する。 (1-1)エリート自燃人は(A)と(C)の理由で動機付けられる。論理的であり、指示の妥当性や組織全体の利益を見極める能力がある。彼らには指示の背景を明確にし、理解させることが重要だ。 (1-2)ピュア自燃人と(1-3)クセのある自燃人は(E)の理由で動く。単純に上司の期待に応えたいという動機から、指示に迅速に従う。特にクセのある自燃人には感謝を示し、彼らの努力を認めることが後押しとなる。