【2024】紅葉の季節の鎌倉観光! 絶景も楽しめる一日モデルコース
◆【海蔵寺】「水の寺」の紅葉
今回は、ハイキングコースへは入らず、建長寺境内へと戻ることにしよう。境内を出て県道を北鎌倉駅方面へ少し戻ると、長寿寺という小さな寺院がある。この寺も紅葉の名所で、本堂の縁側に腰掛けて、庭園の紅葉をゆったりと眺めることができる。 長寿寺の脇に亀ヶ谷(かめがやつ)坂という細道があるので、この道を進もう。山に囲まれた鎌倉には「切り通し」と呼ばれる7つの入口があり、亀ヶ谷坂もそのひとつ。切り通しとは、山の尾根を掘り下げて開削した道のことを言う。 坂を越えると薬王寺という徳川家ゆかりの寺院があり、さらにその先には、源頼朝の娘・大姫にまつわる地蔵が安置されている岩舟地蔵堂がある。 地蔵堂の先で横須賀線のガード下をくぐると、道標が出ているのでチェックしよう。ここからまずは海蔵寺を目指す。海蔵寺は、鎌倉らしい谷間の地形「谷戸(やと)」の最奥にたたずむ寺院だ。 海蔵寺は、本堂裏手の回遊式庭園(非公開)の心字池や、不思議な形をした「十六の井」「底脱(そこぬけ)の井」など境内に豊かな水を湛えることから「水の寺」とも呼ばれている。また、庭がよく手入れされ、四季折々の花も楽しめることから「花の寺」とも言われるが、紅葉も見応えがある。
◆【源氏山】頼朝像と紅葉
海蔵寺を出たら来た道を少し引き返し、道標に従って次は源氏山公園を目指そう。途中、鎌倉7切り通しのひとつである化粧(けわい)坂切り通しを通ることになるが、ここは日当たりが悪く、いつも道がぬかるんでいるので、滑らないように注意が必要だ。 化粧坂を登りきると源氏山公園に出る。源氏山公園は標高93mと、周囲よりやや高所に位置するため、鎌倉の中では紅葉が色づくのが早い。源頼朝像が立つ芝生広場でゆっくりと紅葉を楽しもう。
◆【長谷寺】鎌倉では珍しいライトアップ
いよいよ最後の目的地である長谷寺(長谷観音)へと向かう。長谷寺は大仏のそばにあるので、道標に従い「大仏方面」を目指して歩いて行けばいい。源氏山から長谷へは大仏ハイキングコースを歩くルートと、住宅地の中を歩くルートがあるが、距離はどちらを歩いてもおよそ2.5km。 住宅地を歩くルートは、少し経路が複雑だが、スマホのアプリを使えば迷うことはないだろう。 長谷寺は、言い伝えによれば奈良時代の創建とされ、鎌倉でも有数の古い歴史を持つ寺院だ。本尊の十一面観音像は、高さ9.18mもあり、歴史ある木造の仏像としては日本最大級とされる。 長谷寺での目当ては、日没から始まる紅葉のライトアップだ。紅葉の時期ともなれば、京都などではあちこちでライトアップが行われるが、鎌倉では珍しい。長谷寺のほかは、覚園寺(鎌倉市二階堂)で実施されているくらいだろう。 鎌倉の紅葉散歩、いかがだっただろうか。この時期になると、日暮れ後はさすがに肌寒い。防寒対策をしっかりとして出かけてほしい。 ●2024年の紅葉ライトアップ 長谷寺は12月8日まで、覚園寺は12月10日まで。時間はいずれも日没~19:00 ●鎌倉のイラストマップ
森川 天喜(国内旅行ガイド)