2024年注目のWeb3新興企業5社:日本と世界で異なるリスクマネーの流れ
Napier Labs(ネイピア):金利デリバティブ商品をオンチェーンで民主化する
本社:ドバイ創業者/CEO:小副川 祐輔(おそえがわ・ゆうすけ)氏資金調達額:非公開出資企業・投資家:カーブ・フィナンス(Curve Finance)の創業者、DeFiLlamaの創業者、B Dash Venturesなど採用しているブロックチェーン:イーサリアム 2023年1月にアラブ首長国連邦のドバイで設立されたネイピアは、ブロックチェーンを基盤とするアプリケーションの中で進化・成長し続けてきた領域の「DeFi(分散型金融サービス)」で事業を開発する企業。 ネイピアが注目されるようになったきっかけの1つは、昨年に発表された100万ドル相当の資金調達だ。調達額は決して大きくないが、調達ラウンドに参画した投資家のリストを見ると、世界のDeFi市場をけん引するキープレイヤーたちの名前が並ぶ。 なかでも、20億ドルを超える残高(TVL=Total Value Locked)を誇る分散型取引所(DEX)の「カーブ・ファイナンス(Curve Finance)」を創業したミヒャエル・エゴロフ(Michael Egorov)氏は、ネイピアにとって大きな存在だろう。カーブは「ステーブルコインに特化したDEX」とも呼ばれている。 そもそも、ネイピアとカーブは切っても切れない関係にある。ネイピアはカーブのエコシステムを拡張させるため、カーブの流動性プールと連携しながら、オンチェーンの金利デリバティブ商品を開発している。 今年7月、ネイピアはこれまで開発を進めてきたDeFiプロジェクト「ネイピア・ファイナンス(Napier Finance)」をローンチさせた。 欧米では、中央集権的な管理者が存在しないDeFiに対して、法規制の整備を早期に進めようとする動きはあるものの、過去に例を見ない「オンチェーンのデリバティブ取引」の開発については、既存の金融機関が注視するブロックチェーンの革新的アプリケーションの1つと言える。 DeFiで起業する日本のアントレプレナーの数が少ない中で、小副川CEO率いるネイピアの事業拡大に期待する業界関係者は少なくない。 |文:佐藤茂|画像:Shutterstock
CoinDesk Japan 編集部