【全国高校ラグビー】きょう決勝 東海大大阪仰星「大阪桐蔭・常翔学園の思いも背負い、全員で戦いたい」 桐蔭学園「自分たちの強みを振り返り、できることをやりたい」
去年8月、北海道の支部大会から始まった第104回全国高校ラグビー大会もいよいよフィナーレ。きょう(1月7日)決勝が行われます。5日の準決勝、激戦を勝ち抜いてきたベスト4の激突は、2試合とも期待に違わぬ大熱戦となりました。 【今大会の試合の詳細や動画はコチラ】
<桐蔭学園vs国学院栃木>手の内知り尽くす関東対決!優勝候補が“鉄壁のディフェンス”を打ち破る
第1試合は、準々決勝で大阪桐蔭との優勝候補同士の激闘を制した桐蔭学園(神奈川)と、同じく準々決勝でAシード・石見智翠館を無得点に抑える堅固なディフェンスを見せた国学院栃木(栃木)が激突。 手の内を知り尽くした関東勢同士の対戦は序盤、国学院栃木がペースを握ります。石見智翠館を封じ込めた、しっかりと前に出るディフェンスで桐蔭学園の攻撃を受け止めると、走力のあるランナーがゲインラインを突破し、桐蔭学園陣内に攻めこみます。そして開始7分、桐蔭陣内22mライン付近のスクラムから、しっかりポイントを作って左に仕掛けると、桐蔭学園ディフェンスのギャップをうまくついてWTB家登正宜選手が中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。 一方、申驥世主将が「正直、FWは大阪桐蔭戦の疲労が残っている中で、国学院栃木さんの当たりも強くて(序盤は)きつかった」と振り返った桐蔭学園。それでも、強い当たりで挑んでくる相手に対し、しっかり体を当てながら攻撃のリズムを作り出していきます。国学院栃木の面を作って前に出てくるディフェンスに対しては、SO丹羽雄丸選手が裏へのキックをうまく使ってチャンスを演出。16分には、敵陣ゴール前5m付近のラインアウトからモールを作ると、FW陣が一塊となって一気に押し込みます。申キャプテン自らのトライで5対7。22分にはPGのチャンスを丹羽選手が確実に決めて、前半のうちに8対7と逆転します。
「前半リードされている展開も想定していた」
しかし、FW陣の当たりでは互角に戦えていると感じていた国学院栃木は、ここからぶれずに真っ向勝負の攻撃で敵陣深くまで攻め込んでいきます。前半ロスタイムに突入した終了間際、SO神尾樹凛選手が鋭い出足で丹羽選手のキックをチャージし、敵陣ゴール前でのチャンスにつなげると、FW陣が奮起。しっかりと前に出て、最後はFL下境洋選手がトライ。ゴールも決めて14対8と再逆転して前半を折り返しました。 準々決勝同様、前半はリードを許した桐蔭学園。それでもキャプテンの申選手が「前半リードされている展開も想定していた」と語ったように、慌てず反撃します。後半に入っても、しっかり体を当てながら攻撃のリズムを作ると、コーチ陣がハーフタイムに伝えた「体を当てるだけでなく、どこで前に出るか、ポイントをみんなで共有して攻めていこう」というアドバイスをもとに、「ここぞ」というときに連動し圧力をかけ、徐々に国学院栃木を押し込んでいきます。そして後半7分、連続して攻撃を仕掛けた後、SH後藤快斗選手が判断よくディフェンスのタイミングをずらして左中間にトライ。14対13と1点差に迫ると、大事なキックを丹羽選手が鮮やかに決めて15対14。再びリードを奪い返しました。 こうなると桐蔭学園の勢いは止まりません。国学院栃木のキャプテン笹本直希選手が「前半は桐蔭学園の強い当たりに対して互角に戦えていたが、繰り返し圧力を受けている中で、徐々に体力が削られて、後半はどうしてもディフェンスの対応が遅れてしまった」と言ったように、キックも交えながら繰り返しFWで圧力をかけ、国学院栃木自慢のディフェンスを打ち崩していきます。21分には、FW陣が押し込んだ後、右に素早く展開してFB古賀龍人選手がトライ。再び丹羽選手が確実にゴールを決めて22対14と、1チャンスで逆転不可能な8点差に突き放しました。