世界の長者番付トップ10内に入ったサラリーマンの稼ぎ方とは? 出世より収入…令和に求められるマインドセット
経済評論家の父から息子への手紙 #1
2024年の1月1日に亡くなった経済評論家の山崎元氏。実の息子に実際に送った手紙を基に書かれた書籍『経済評論家の父から息子への手紙』は、発売からまもなく1年が経過しようとする今でもベストセラーとして読まれ続けている。 【画像】世界の長者番付トップ10位になんとサラリーマンがランクイン 本書籍から一部を抜粋・再構成し、今となっては昭和世代の働き方がいかに古いかを解説する。
「昭和生まれの働き方常識」は“割が悪い〟
まず、古い世代の働き方の常識がどのようなもので、なぜダメになったのかを確認しよう。元号にさしたる意味はないが、「昭和生まれの働き方常識」とは以下のようなものだ。 「安定した職を得て、出世して、労働を高くかつ長く売る」というのがその要約だ。典型的な良い就職先は、大企業であり、国家公務員だった。医師や弁護士のような時間単価が高くて「食いっぱぐれがない」職業もいい仕事だとされた。 サラリーマンの場合なら、「できるだけ大手の安定した会社に入り」、「失敗を避けながら人事評価上の競争を勝ち抜いて」、「なるべく偉くなること」が目指すべき職業人生だった。部長、役員などと最終ポストが上がると年収が増える。退職金や、退職後の待遇でも差がつく。相対的にはまあまあのお金持ちになることができた。 一方、「クビになる」ことのコストは極めて大きかった。クビになった会社と同程度の安定感や社会的なステイタスを持っていて、同じような報酬をくれる企業への再就職は大変難しかったからだ。 このような事情だから、大企業に就職してそこに勤め続けることが重要だった。 だが、一つの組織に居続けるとなると重要性が増すのが人事だ。人事評価で失点を受けると、これが一生尾を引く可能性があった。雇う側から見ると、人事評価の差を餌に、たいしたお金を払わずに社員を大いに働かせることができた。 人事は、基本的に好き嫌いで決まる。これは現代でもそうだし、世界的にそうだ。嫌われた者が脱落するシステムなのだ。評定者の言いなりになることが求められる。「悪目立ち」することを避けるのが、サラリーマンの心得だった。 しかし、旧来型の働き方では、同期入社100人のうちの1人か2人しか出ない役員になるような成功者でも、「より高い給与・ボーナス」という形で、自分の時間を売ってお金を得ていたに過ぎない点に注意しよう。 サラリーマンは、出世して、自分の労働時間の単価を上げて、長く勤めて、より大きなお金を手にしようとした。
【関連記事】
- ウォーレン・バフェット、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスク…世界の超一流たちが絶対に欠かさない習慣第1位はアレだった
- 「日本人は疲れてから休み、世界の一流は疲れる前に休む」休むために働くという欧米パワーエリートたちの休日の過ごし方とは
- 「ステーキ9万6800円」でもインバウンドで大繁盛する神戸牛店「確かに私たちの店はバカみたいに高い値段だけど…」外国人観光客がそれでも来る理由
- 〈自ら出演の「無修正わいせつ動画」投稿で逮捕された32歳女性〉「アダルト配信をはじめたきっかけは彼の借金でした…」約1億円の動画収益も追徴金などでほぼ無一文に…「今後も配信はやります」
- ”経営の神様”と称された稲盛和夫さんが生前に語っていた「人の思いや考え方が運命を変える」の意味