速水もこみち×マセラティの“贅沢な時間”とは
一度は泊まってみたい、Shishi-Iwa House 軽井沢
マセラティ・グレカーレのステアリングホイールを握る速水は、ドライブモードを切り替え、エンジン音やステアリングホイールの手応えの変化を楽しむ。頻繁に切り替えダイヤルを操作する仕草からは、クルマと運転が好きなことと、好奇心旺盛な人柄が伝わってくる。 やがて、次の目的地である「Shishi-Iwa House 軽井沢」が見えてきた。こちらは、建築とアート、美食と自然環境保全などのコンセプトが融合した施設で、SSH No.01とSSH No.02の2棟は坂茂の設計、SSH No.03は軽井沢千住博美術館とおなじく西沢立衛が手がけている。今回の軽井沢ドライブには、プリツカー賞受賞建築家の作品を鑑賞する、“建築旅”という裏テーマがあるのだ。 訪れたのは、2022年に竣工したSSH No.02。1階のゲストルームに案内された速水は、「おぉ、斬新でおもしろいですね」という第一声を発した。 「部屋がコンパクトで、必要なものは揃っているいっぽうで、無駄なものはなにひとつありません。削ぎ落とされているというか、一般的なラグジュアリーなリゾートホテルとはアプローチが違いますね」 SSH No.02の部屋はすべてこのタイプで、約20㎡の部屋の調度はミニマル。ベッドから出るとすぐに洗面所にアクセスできる。これは、Shishi-Iwa House 軽井沢のオーナーと坂茂がアイデアを出し合った末に生まれたコンセプトという。 2階の共有スペースに位置するレストランとバー、テラスに足を運んだ速水は、バーカウンターの奥の扉を発見した。扉を開くと、そこはこぢんまりとしたシガースペースだった。 「このスペース、おもしろいですね。僕はDIYが好きなので、ちょっと真似してみたくなりました」 コンセプチュアルで、かつ坂茂の遊び心が感じられるShishi-Iwa House 軽井沢。 「今日は時間がないけれど、一度は泊まってみたいですね」 2階のテラスから1階へ通じる特徴的な回廊を降りながら、速水はそんな感想を口にした。