手帳の使い方は予定管理だけじゃない…「なりたい自分」書いたり、日々の暮らしを記録したり用途多様化
新年に向けたこの時期に買い替える人が多い紙の手帳。予定の管理にとどまらず、「なりたい自分」を書いたり、日々の暮らしを記録する「ライフログ」として記入したりする使い方が広がっている。(佐々木浩人) 【写真】ライフログ向けの手帳を紹介する前池さん
「幸せをかなえる」「お金をためる」
12月中旬、福岡市・天神の積文館書店新天町本店には、通常の手帳に加え、「幸せをかなえる」「お金をためる」「占い」といった、様々なテーマの手帳が並んでいた。
「幸せをかなえる」手帳をめくると、「やりたいこと・やめたいことリスト」「夢を達成するためにすること」といった項目を記入するページがあった。
店長の真鍋真理さん(51)は「普通の手帳では飽き足らない人が手にとっています」と話す。スマートフォンでスケジュール管理をする人が増えているにもかかわらず、売り上げは堅調。例年、11月から年が明けた1月末までに買う人が多いそうだ。
白紙ページが多めも人気
福岡市・博多駅にあるハンズ博多店では、ライフログなどに適した「カジュアル手帳」が並ぶ。やることを箇条書きにしたり、天気や体調を記入したりする欄があるタイプが多い。白紙ページが多めに設けられたものも人気で、その日に食べたものを絵で描き残して楽しむ人もいるという。
ダイアリー担当の前池響さん(30)は「手書き手帳は、1日を振り返ったり自分に向き合ったりする人にニーズがある。生活の質を高めるための『お助けツール』と言えそうです」と紹介する。
8割が紙を使用
スケジュール管理を目的にしない手帳を開発・販売する糸島市の「feppiness」が9月、インターネットで行った調査(回答者666人)では、利用している手帳の種類は、紙のみが51・4%、デジタルとの併用が36・1%、デジタルのみが12・5%で、8割が紙を使っていた。
紙の手帳を使う理由について、4割が「振り返りしやすい」「手書きなので記憶に残りやすい」と回答。同社の担当者は「紙の手帳には、スマホの通知から離れて自分に向き合える、その時の感情が書く字に表れる、といった魅力がある」と分析している。