お疲れ様でした! 今季で愛するクラブを去る功労者10人。クラブ愛でチームを牽引してきたのは?【23/24シーズン】
FW:ラウール・ガルシア 生年月日:1986年7月11日 所属クラブ:アスレティック・ビルバオ トップチーム在籍期間:9シーズン クラブ通算成績:362試合84得点40アシスト ラ・リーガ通算608試合に出場したラウール・ガルシアは今季をもって現役を引退する。スペインで国内リーグ600試合に出場した選手は彼を含めて3名のみだ。偉業を成し遂げたスペインサッカー界のレジェンドの最後のクラブは、アスレティック・ビルバオとなった。 かつて“パンプローナのジダン”とも呼ばれたガルシアは、プロキャリアをスタートさせたオサスナから2007年にアトレティコ・マドリードへ移籍した。同クラブではラ・リーガやUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に貢献。2015年夏にビルバオに移籍し、現在まで同クラブでプレーしている。 元々は中盤のMFとしてプレーしていたが、2019/20シーズンからは最前線でFWとして起用されるようになった。同シーズンは高い得点力を発揮してリーグ戦でキャリアハイとなる15ゴールをマーク。ガルシアはポジションを変えながらビルバオで確かな地位を築き、昨季まで毎シーズンリーグ戦30試合以上に出場し続けてきた。 今季はプレー時間を大きく減らしてここまでリーグ戦は19試合出場1得点の成績にとどまっているが、大一番のコパ・デル・レイ決勝戦には途中出場し、PK戦で1番手キッカーの大役を務めてクラブの40年ぶりとなる同タイトル獲得に大きく貢献している。ガルシアは9シーズンを過ごした愛着のあるクラブに最高の置き土産を残してスパイクを脱ぐことになった。
FW:イケル・ムニアイン 生年月日:1992年12月19日 所属クラブ:アスレティック・ビルバオ トップチーム在籍期間:15シーズン クラブ通算成績:560試合76得点70アシスト サッカー選手の移籍市場が活発になっている近年において、1つのクラブに長く在籍する者はどんどん稀有になってきている。そんな中、アスレティック・ビルバオの象徴的選手の1人であるイケル・ムニアインは、ワンクラブマンとして愛するクラブにキャリアを捧げてきた。 ムニアインが“バスク純血主義”を貫くビルバオの門戸を叩いたのは12歳の時であった。そこから順調にステップアップしていくと16歳の若さでプロデビューを果たし、クラブの最年少出場記録や最年少得点記録も更新した。“バスクの至宝”はクラブに絶対的な忠誠を誓い、2018年11月には契約解除金を設定せずに6年の長期契約を結ぶ。他クラブへの移籍という選択肢を排除したこの契約は今夏に満了を迎え、ムニアインも惜しまれながらとうとうクラブから去る決断を下した。 最愛のクラブで過ごしていたとはいえ、ムニアインのキャリアは決して易しいものではなかった。2度の前十字靭帯断裂に見舞われ、コパ・デル・レイやUEFAヨーロッパリーグ(EL)の決勝で敗れ、涙を呑んだ。ビッグクラブへ移籍していれば、より華やかなキャリアを歩めたかもしれない。 しかし今季、ムニアインはとうとう悲願であったコパ・デル・レイのタイトルを獲得し、ビルバオで有終の美を飾ることができた。これまで同クラブでは歴代2位となる公式戦560試合に出場している。スペインA代表として出場したのは2試合だが、それでもムニアインが同国を代表するサッカー選手であることに異論はないだろう。