『不倫を継続するため』妻と1歳娘を殺害…元看護師の男に検察は“無期懲役”求刑も弁護側は“有期刑”主張 裁判のポイントは『殺意』と『量刑』【22日判決】
妻に発覚するも不倫を続けた渡辺被告 不審な検索履歴も
事件の動機にもつながる同僚との不倫関係は渡辺被告が春香さんと結婚した8カ月後に始まった。 【2018年5月】 渡辺被告と春香さんが結婚 【2019年1月10日ごろ】 渡辺被告が当時看護師として勤務していた新潟市南区の病院で同僚の看護師との不倫関係が始まる 【2019年1月11日~2月3日】 春香さんが渡辺被告の不倫を知り、弁護士を通じて慰謝料請求 春香さんに不倫が発覚するも、不倫関係を続け、さらにその過程で長女の純ちゃんが誕生する。 そして、2020年12月28日に渡辺被告は自身の携帯で「銀行口座について死亡時の手続き」を検索していた。 また、この時期渡辺被告は競馬投資の副業を始めるも詐欺だったことが分かり、約400万円の借金を負い、その借金返済のために、春香さんの銀行口座から無断で金を返済に流用。 2021年1月29日には「妻殺害水死に偽装する方法」、1月31日には「生命保険死亡保険金」などといった検索履歴が確認されている。
不倫終了の危機で繰り返された看護師の立場を利用した悪質な犯行
2021年2月10日ごろ、不倫相手から不倫関係の終了を宣言された渡辺被告は、その翌日には「建築中 施主死亡」と検索。 この時期、渡辺被告は、新潟市南区に新居を建設していたという。 そして、2月19日に不倫相手から「会うのはこの日が最後」と告げられ、不倫関係は終了するも、この4日後に渡辺被告は「職場の患者が飲まなかったため、看護師のユニホームに入れて間違えて持ってきてしまった」とした睡眠薬を飲料に混ぜて春香さんに提供。 それを飲んだ春香さんは、意識混濁や失禁の症状が出たことから病院を受診し、その後「てんかん」の疑いで入院したものの、翌日には症状も治まり退院している。 その後も春香さんの口座から借金返済のために無断出金していた渡辺被告は、2月末ごろに職場で偶然、不倫相手と会ったことをきっかけに、「また会いたい」と連絡を取り合い、翌月には不倫関係を再開。 不倫相手の誕生日を一緒に過ごして祝うなどしていた一方で、「夫が運転中に心肺停止して死亡した」というインターネットの質問サイトなどを閲覧していたほか、「低酸素脳症 心停止」などと不審な検索は続いていた。 そして、3月29日の朝…渡辺被告は再び「職場から間違えて持って帰ってきてしまった」とする睡眠薬を飲料に混ぜて春香さんに提供するも春香さんはその時、その飲料を飲まず。 これまで不審に思っていた自身の銀行口座の無断出金のことを調べに銀行に向かい、渡辺被告が無断で出金していたことを知った春香さんは夕方ごろ帰宅。 渡辺被告に対し、怒りをあらわにするとともに実家に帰ることを告げ、朝に渡辺被告が用意していた睡眠薬入りの飲料が残っていたことから、それを知らずに飲んで車を運転し、約1時間半後に交通事故を起こした。 渡辺被告は、春香さんが睡眠薬入りの飲料を飲んだのを知りながら、長女の純ちゃんを車に乗せて出発しようとする春香さんをあえて制止せず、裁判では事故を起こして死亡することを企図していた「殺人未遂」の罪に問われている。
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