沈黙の臓器「腎臓」を守るために、日常生活で心がけたいこととは?
普段あまり意識しないものの、老廃物の排泄、体内の水分・血圧の調整など、実はとても重要な役割を担っている臓器・腎臓。その働きと、日々の生活で注意したいことを聞きました。 ※この記事は、発売中の『からだにいいこと』2025年2月号より一部抜粋・再編集しています。
教えてくれたのは…陣内厚子先生
医師。東京女子医科大学東洋医学研究所にて診察にあたる。西洋医学と東洋医学を併用し、患者と真摯に向き合う治療が評判。更年期やPMSなど女性特有の症状にも詳しい。
体内のさまざまな働きに関係する「腎臓」
◆腎臓 主な働きは、老廃物の排出と、体液やイオンバランスの調整、体の機能を調節するホルモン分泌など。 →心臓 心臓が血液を送り出し、腎臓が不要な水分を排出することで、体内の血液量が常に一定に保たれる。 →肝臓 体内にとりこまれたアルコールや薬などを代謝・解毒する肝臓。それらの不要物を体外へ排出するのが腎臓の役目。 →血管 腎臓が出すホルモンの働きが、血液量を調整し血圧を安定させる。 →骨 骨を丈夫にする「活性型ビタミンD」は腎臓で産生される。
疲れや不調には「腎」のケアが先決
「腎臓の機能は、ごく普通の生活を送っていればそれほど低下することはありません。疲れやだるさが腎臓のせいで強く出ているときは、すでに腎機能がかなり落ちています」と、東京女子医科大学東洋医学研究所の医師・陣内厚子先生。腎臓が“物言わぬ臓器”であることがわかります。 「そのため、定期的に健康診断を受けることがとても大切。検査結果で腎機能が少し悪かったり少量のたんぱくが出たりしていても、医師の指導を守って生活すれば改善できます」 一方、病気ではないけれど疲れや不調がある「未病」の改善には、東洋医学の「腎」のケアがカギだとも。 「腎は生命活動を維持するエネルギーの源であり成長、老化、生殖に大きく関わります。腎の働きが衰えると冷えやむくみ、疲れなどの症状が出がちに。腎のエネルギー量を減らさないために、良質な食事や睡眠を取って『腎活』を心がけましょう」