東京五輪でメダル可能性あり!男子110mハードルで日本新Vの“21歳新星”泉谷駿介の何がどう凄いのか?
大学2年時(2019年)は関東インカレで個人3種目に出場。110mハードルを13秒41(+2.7)で圧勝すると、走り幅跳びは追い風参考ながら8m09(+3.8)をジャンプして2位。三段跳びは16m08(+2.0)の自己ベストをマークして“異質”な2冠に輝いた。日本選手権は110mハードルに絞り、13秒36の日本タイ記録で2位に入り、ドーハ世界選手権代表にも選ばれた。 2019年は爆発的なスタートダッシュを武器にしてきたが、故障が多かったこともあり、今季はレーススタイルを少し変更している。スタート時の出力を抑えて、後半の走りにつなげることを意識しているのだ。そして、スタートから1台目のアプローチも8歩から7歩に変えたが、こちらは完成していないという。 「7歩の後半で間延びしてしまうことがあるので、もっとスムーズに出られるようになれば、いい結果につながるかなと思います」とまだまだタイム短縮の可能性を秘めている。 跳躍ブロックで練習してきたため、ハードル練習は非常に少ない。それでも本人は、「足腰や踏み切りが強くなったので、ハードルの踏み切りに生きていると思います」とプラスにとらえている。見た目から迫力は感じないが、躍動感あふれる動きは“モンスター”だ。 東京五輪に向けては、「特に変わったことはしないで、このままいくイメージです」と泉谷。目標を問われると、「公認で13秒06は自信になったので、まずは決勝に進みたい」とキッパリ口にした。 大舞台でも日本選手権と同等のパフォーマンスを発揮できれば、日本人初の「ファイナル」だけでなく、「メダル」も見えてくる。なお過去に12秒台で走破しているハードラーは21人しかいない。現在21歳の泉谷なら、近い将来の「12秒台」も夢ではないだろう。3年前には誰も想像していなかったことが、現実に起きようとしている。日本陸上界に現れた新星にぜひ注目していただきたい。 (文責・酒井政人/スポーツライター)