少子化によって「公的年金」がなくなることはあるの? 持続させるための「財政検証」とは一体何?
昨今の日本では少子高齢化がますます深刻な社会問題となっており、令和5年度の合計特殊出生率は「1.20」で過去最低の数値でした。 このような状況下で、少子高齢化によって「公的年金」がなくなる心配をしている方も多いのではないでしょうか。なかには、公的年金制度を持続させるための「財政検証」について詳しく知りたいと考えている方もいるでしょう。 そこで今回は、少子高齢化によって公的年金がなくなるかもしれないという不安を抱えている方に向けて、公的年金制度と財政検証の内容をご説明します。ぜひ最後までお読みいただき、公的年金制度について理解を深めてください。 ▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?
公的年金制度とは?
日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満の全国民が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員・公務員が加入する「厚生年金」から成り立っています。 公的年金制度は「賦課方式」という方式で運営されており、現役世代が支払った保険料(国民年金・厚生年金)が高齢者などの年金給付に充てられています。 したがって、少子高齢化が進行している日本では、何の対策も取られなければ公的年金制度は破綻してしまう可能性があったというわけです。
公的年金制度は破綻する?
それでは、現在も公的年金制度は破綻してしまう可能性があるのでしょうか。ここでは公的年金制度を持続させるための取り組みを紹介し、公的年金制度の持続可能性を確認していきます。 取り組み①:財政検証 現在、公的年金が高齢者世帯の収入の約6割を占めており、公的年金制度をなくすことは非現実的です。 そこで、公的年金制度を中長期的に持続させていくために、「財政検証」で年金給付と保険料負担のバランスが取れているかの確認が定期的に行われています。「財政検証」は少なくとも5年に1度行われ、保険料の引上げや年金の給付水準の調整などが検証されています。 実際、少子高齢化に伴って国民年金保険料は増加しており、公的年金制度の持続に貢献しているといえるでしょう。参考までに、過去10年間の国民年金保険料の推移は表1の通りです。 表1