鏡像異性体に液体のり成分を加えて放射線治療、マウスのがんがほぼ消失 東大など
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で、がんの治療効果が実際にどれほどあるかをマウスで調べると、PVAを加えたD-BPAは、臨床で実際使われているL-BPA(PVAは含まず)よりがんの体積を減らしてがんが根治するほどだった。 野本准教授は「PVAとD-BPAを一緒にすると、従来の薬剤では十分な効果を得られなかったがんに対しても有効な薬剤となることが期待できる」と話す。今後は薬剤の規格化や動物実験を経てヒトへの応用につなげたい考えだという。
研究は、京都大学とステラファーマ(大阪市中央区)と共同で行い、科学技術振興機構(JST)や日本医療研究開発機構(AMED)、日本学術振興会の科学研究費助成事業、ステラファーマの共同研究費の支援を受けて行った。ドラッグ・デリバリー・システムの専門誌「ジャーナルオブコントロールドリリース」電子版に2024年12月3日掲載された。