平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【ごはん編】、「残念すぎる酢飯」が多い、その驚きの裏側は?
70万部の大ベストセラー『食品の裏側』の著者、安部司氏が開発したレシピ集『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』が9刷7万部を突破し、話題を呼んでいる。 【写真でわかる】「ちらし寿司の素」の残念な真実 『食品の裏側』発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、安部氏が自ら15年かけて開発した膨大なレシピノートの中から、「簡単に時短に作れるレシピ」を厳選した1冊だ。 いまなお食品添加物の現状や食生活の危機をメディア等で訴え続けている安部氏が「平気で『ちらし寿司の素』を買う人が知らない超残念な真実【ご飯編】」について語る。
*本記事の後編:平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【具材編】 【東洋経済オンラインで2023年3月1日に公開した記事の再配信です】 ■「ちらし寿司の素」に衝撃を受けた理由 3月3日は桃の節句。ちらし寿司を召し上がる家庭も多いことでしょう。 ちらし寿司はトッピング次第でいくらでも華やかになりますし、老若男女、誰にも好まれる料理です。 私も子どもの頃からお祝い事などのあるたびに、母親が作ってくれるちらし寿司が楽しみでした。
しかし、近頃は「ちらし寿司の素」を使う人が多いようです。 レトルトパウチに入っているもののほか、粉末酢とセットになった瓶詰タイプもあるようです。 いずれにしても炊きたてのご飯に混ぜるだけで、ちらし寿司が完成するという「利便性」「簡単さ」が人気なのでしょう。 確かにちらし寿司はたくさんの具材を切って煮込んで、合わせ酢を作って混ぜて……と、作るのがちょっと面倒かもしれません。それが「混ぜるだけ」の手軽さでできるなら、こんなにありがたいことはありません。
私も今回、市販の「ちらし寿司の素」を購入して作ってみたのですが、非常に驚きました。控えめに言っても「おいしくない」。衝撃的でさえありました。 その最大の原因は「酢飯」です。酢飯に使われている「お酢」が決定的においしくないのです。 本来、「伝統的なお酢(純米酢)」は、米を蒸して「麹」を育てるところからはじまります。 できあがった麹と蒸した米を混ぜて、ここに「酵母」を加えて発酵させることで、いったん日本酒を造ります。これは飲用の日本酒とは違って、風味の強い酒です。