平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【ごはん編】、「残念すぎる酢飯」が多い、その驚きの裏側は?
■お酢に「当たりはずれ」が大きい理由 お酢についてはセミナーや講演会などで、食品加工のプロからよくこのような質問を受けます。 「なんでこんなに酢がおいしくないんですか」 「なぜお酢には当たりはずれがあるのですか?」 もちろん一般の方も疑問に思うところだと思います。お酢の製法と種類を知れば、選び方も変わってくるはずです。 いずれにしてもこの「アルコール酢」「速醸酢」は今や一番多く出回っているお酢です。しかも使われている原料は小麦、トウモロコシを混ぜた「穀物酢」がほとんどです。
安く売られている食酢はもちろんですが、市販の「ドレッシング」「甘酢あん」「お酢のドリンク」などの多くは、この「アルコール酢」「速醸酢」です。最近人気の「だし入りの合わせ酢」もこれだと思います。 ただ、ドレッシングやドリンク類であれば、ほかの調味料もいろいろ使われるから、それほど「お酢そのものの味」は問われません。 つまり、それらの食品では、お酢がおいしくなくても、ごまかされるのです。 しかし「酢飯」は、それらの商品とは根本的に違います。そこにこそ「ちらし寿司の素」の盲点があります。
なぜなら「お酢の味」が「ご飯(酢飯)の味」を決定的に左右するからです。 一般的に、すし酢に使われるのは「お酢と砂糖と塩のみ」です。淡泊な酢飯にはお酢のよしあしがダイレクトに反映されてしまうのです。ごまかしがききません。 私の食べた「ちらし寿司の素」に使われていたのも、この「アルコール酢」、もしくは「速醸酢」だと思われます。混ぜたときの「酢酸臭」がとにかく強く、うま味がなく、酢飯のおいしさが感じられませんでした。
あくまで私の意見ですが、酢は伝統的な「純米酢」が一番おいしいと思うし、寿司には「純米酢」が最も合うと思っています。 「穀物酢」は風味がないし、「玄米酢」「果実酢」はやはり米とはテイストが合いません。 「バルサミコ酢」はもっと合いません(笑)。 ■「寿司のおいしさ」を決めるものは何か 「ちらし寿司は具材がいろいろ入るしトッピングもあるのだから、酢飯はあまり関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。