現地紙が南野拓実のリヴァプール時代を回顧「5人交代制の導入が彼にとって遅すぎた」「マネに代わるFWになっていたかも」
現地メディア『リヴァプール・エコー』が、モナコFW南野拓実のリヴァプール時代を回顧している。 南野拓実、リヴァプール時代の忘れられない瞬間は? 2019年12月19日に契約合意に達し、翌2020年1月1日にザルツブルクからリヴァプールに加入した南野拓実。クラブ通算では公式戦55試合14ゴール3アシスト。在籍期間を通して、主力に定着するには至らなかったが、最終年の2021-22シーズンには公式戦22試合で10ゴールを挙げ、カラバオカップとFAカップの2冠獲得に貢献していた。 「2020年の今日(1月1日)、南野拓実がザルツブルクからリヴァプールに725万ポンド(約14億円)で加入した」 そう綴った『リヴァプール・エコー』は、「ファンとユルゲン・クロップ監督の双方に大きな興奮を呼んだ移籍」としながらも「振り返ってみれば、本当にうまくいったとは言えない移籍だった」と総括している。 まず、同メディアが指摘したのは、加入直後の新型コロナウイルスの影響。「新しい文化に適用しようとしたが、コロナウイルスのパンデミックによってフィットへの期間が中断され、初日からチームに馴染む必要があった。初のフルシーズンのプレシーズンが奪われ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの無敵のトリオが自分よりも序列が上だと気付かされた。ただ、南野はこのトリオを崩すことができなかった最初の選手ではない」とリヴァプール時代の序盤を振り返る。 そんな南野は2021年2月にシーズン終了時までのサウサンプトンへのレンタル移籍を経験。同メディアは「コパイツがクラブが獲得した選手の真の姿を垣間見ることができたのは、サウサンプトンへの半年間のレンタル移籍後だった」と述べると、プレミアリーグでの出場時間は限られていたものの、カラバオカップとFAカップでは得点王になり、国内2冠に貢献したことに触れた。 それでも同メディアの評価は厳しく。「悲しいことに、アンフィールドでの彼の最高のパフォーマンスは、ザルツブルクに在籍していた頃のリヴァプール戦だったということ」と2019年10月3日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第2節のリヴァプールvsザルツブルクについて言及した。 「外部の目はアーリング・ハーランドに向けられていたかもしれないが、4-3でレッズが勝利した試合でゴールとアシストを記録したのはこの日本人選手だった。リヴァプールの選手たちは試合後、すぐに新しいチームメイトになると確信した」 当時、一部メディアでは南野の活躍を見た選手たちが獲得を進言したという噂が浮上していた。しかし、同メディアによれば、すでにその時点で契約の話は進んでいた模様。南野がC大阪でプレーしていた2013年から注視しており、クロップ監督自身もドルトムント指揮官時代に同選手に注目。リヴァプールのコーチ陣とスカウト陣が全員一致で獲得を望み、2019年11月に交渉が開始されたという。そして、ザルツブルクのフットボールディレクターと良好な関係を築いてたリヴァプールが、南野の契約解除条項を知っていたことから、マンチェスター・ユナイテッドよりも先に契約を締結することができたと明かしている。 最後に同メディアは、「残念ながら、そういった状況下での期待は南野にとって大きすぎた」と評すと、南野のリヴァプール退団後の2022-23シーズンからプレミアリーグに導入された「選手交代枠の5人交代制の導入が彼にとって遅すぎた」と主張。また、セネガル代表FWサディオ・マネやギニア代表のナビ・ケイタのように、「ザルツブルクからもう一つクラブを経由して、リヴァプールに来ていれば、彼のレッズでの物語は終わらなかったかもしれない。そして、マネと一緒に移籍するのではなく、マネに代わるフォワードになっていたかもしれない」と締めくくっている。