【江夏豊が語る名選手と名監督】「王さんに打たれたら悔しいのに、ミスターには腹が立たない」「大喧嘩をした金田正一さん」…レジェンドたちとの逸話
現役生活18年の間、たくさんの監督のもとでプレーした。一癖も二癖もある人ばかりで、例えば大沢親分こと大沢啓二は、困ったおやじだった。びっくりしたのは、選手に彼女の家まで送らせるんだから(笑)。言うなれば心を許してくれたわけだけども、まだ対応するだけの余裕もなかったから戸惑うしかない。慣れてくればこうすりゃいいんだとわかってくるけど……。いち選手が監督の彼女の家まで一緒に行く。まあ馬鹿じゃないかなと思う時もあったけど、いい思い出だよ。 阪神では、おじいちゃん(藤本定義)、クマさん(後藤次男)、ムラさん(村山実)、金田(正泰)さん、吉田(義男)さん、いろんな監督さんがいた。吉田さんが監督の時に南海へトレードされた。「トレードはない」と外部に言うなど、経緯もわからず裏切られる思いがした。でもトレードのおかげでたくさんの仲間と出会えたんだから、結果オーライというか感謝よ。 (第3回へ続く。第1回から読む) 【プロフィール】 江夏豊(えなつ・ゆたか)/1948年、兵庫県生まれ。1967年に阪神入団後、南海、広島、日本ハム、西武と渡り歩く。1984年に引退。オールスターでの9連続奪三振、日本シリーズでの「江夏の21球」など様々な伝説を持つ。 松永多佳倫(まつなが・たかりん)/1968年、岐阜県生まれ。琉球大卒業後、出版社勤務を経て執筆活動開始。近著に『92歳、広岡達朗の正体』(扶桑社)などがある。 ※週刊ポスト2024年12月20日号
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