乳がんを経験した「日本一バズる経済アナリスト」こと、馬渕磨理子さん。「とにかく健診へ行って」インタビューで明かす
経済アナリストとして注目を浴びる馬渕磨理子さん。YouTubeで乳がんを公表し、すでに復帰を果たした彼女が、病に直面したことで改めて考えた仕事やお金に対する思いなどを直撃した。 【写真】一番辛いのはいつ...?乳がん&子宮頸がんと戦い抜いた経験者たちのリアル証言
きっかけは何気ない検査
きっかけは、レギュラー出演する番組『ウェークアップ』の乳がん特集だった。 当日にコメントを求められる予定だったので、収録前に自分も検診を経験したいと、多忙なスケジュールを縫って検査を受けた。そして、届いたのが「乳がん疑い」という結果。 「命というもの、死について向き合う状況に陥り、自分の人生は短いのかな、とまず思いました。それから抱えている仕事が非常に多くあったので、ご迷惑をかけることになるだろうというのがつらかったです」、そう語る馬渕磨理子さん。直ちに細胞診などの検査を重ねて手術を決意。 主宰するYouTubeチャンネルで公表したのが今年1月のことだった。「(公表することに)逡巡はありました。近しい人に相談するとわざわざ公表しなくてもという意見もあったのですが、メディアに出て報道に携わる以上、公にすることで検診率が上がってほしいと願い、踏み切りました。マイナスの想像もしましたが、がんにかかる人も多い中、とにかく検診を呼びかけたいという思いが勝りました」
これからどう生きるか考えるきっかけに
周囲からの反応はどうだったのだろう。 「検診に行きます、という声であふれていました。男性から、奥さんに検診に行くように伝えたという声も。乳がんの治療、医療技術は進化していて、基本は助かる病気になってきています。標準治療をすれば、ほぼ治ることも知りました。それによって社会復帰できること、そして復帰した人を受け入れて、よりよい社会を目指すことの大切さを改めて伝えていきたいところです」。 母方に乳がん経験者がいたため、BRCA遺伝子検査※ も受診。結果は陰性だったが、全摘手術を選択した。同時に再建手術も行い、退院後は自宅でしばし療養生活に。1カ月ほどして病理検査の結果が判明、早期のがんとステージも確定し、治療は終了した。 この5年は休みもなく、長時間ストイックに働く毎日だったという。闘病中に40歳を迎えて、これからどう生きるか考えるきっかけになったとも。 「金融界でキャリアをスタートしてからずっと、世の中の仕組みを作る方々とともに働くことを目指してやってきた。今後は金融界の発展のために、お世話になってきた業界に還元していきたいと考えています」 ※BRCA遺伝子検査(血液を用いてBRCA遺伝子に変異があるかを調べ、遺伝性乳がんや卵巣がんの発症リスクを調べる検査) しかし、検査結果がわかるまで、あるいは病理検査の結果が判明するまで、不安を抱えながら待つ時間が長いがん治療。気持ちも揺れ、モチベーションも下がる。「実は手術前日まで仕事の現場に立ち、ピンと気を張った状態で働いていました。そのときの仕事が次につながっていたりして、これはひとりで乗り越えたのではなく、仕事関係の皆さんが待ってくれているという思いがモチベーションにつながったのだと考えています」。