城氏が疑問「なぜアルゼンチン戦圧勝のU-24代表はOA枠をテストしなかったのか」
メンバーが変わればサッカーも変わる。3日前に0ー1でアルゼンチンに完敗したU-24代表は久保、板倉以外、9人を入れ替えて2戦目に挑んだ。アルゼンチンも4人スタメンを入れ替えていた。 日本は、アルゼンチンにしっかりとプレッシャーをかけて、耐えながら徐々に主導権を握った。初戦では、アルゼンチンのハイプレッシャーの中、セカンドボールを失うミスを続けてリズムを作れなかったが、この試合では、その課題を修正していた。 トップ下に入った久保は、自由に動き、左の相馬、右の食野が少し機能した。彼が動いたことによってできるスペースに人が連動していた。久保がサイドに動いてボールを受けるシーンも、しばしばみられた。とくに右に流れたケースでは、アルゼンチンの守備陣を何度か攪乱した。久保のポテンシャルを生かすのであれば、サイドに張らせておくよりも、こういう自由な動きをさせた方がいい。スペインで名のある久保は、他チームからエースとして標的にされ、サイドのポジションでは激しいマークで逃げ場を失う。トップ下で自由にさせた方がアクセントを作ることができ相手もマークにつきにくい。 前回の組み合わせでは三笘が左に入ったが機能しなかった。三笘は、Jリーグのレベルの中では群を抜く存在で、川崎フロンターレのサッカースタイルの中では光っている一人だが、相手が南米予選を1位で突破してきたアルゼンチンになると存在感は薄かった。久保との組み合わせでいけば、この試合のメンバーの方がベターだろう。 圧勝の中での収穫は、久保のCKから板倉のヘッドというセットプレーで奪った2得点だ。久保のキックの精度は抜群でGKから逃げていく回転の絶妙のボールを蹴った。後半23分の1本目は板倉にピンポイントで合わせた。186センチと上背のある板倉は完璧なタイミングで走り込んできてジャンプ。高さで圧倒した。しかも彼はボールを浮かさないようにヘッドを使っていた。練習通りにデザインされたプレー。その5分後の2点目は、周りの選手がブロックしてアルゼンチンの動きを止めコースを空けて、そこへ板倉が飛び込んでくるという連携プレーだった。この久保ー板倉のホットラインはひとつの武器になる。2点目が入った時点でアルゼンチンの集中力は途切れてしまっていた。