日本の住宅、夏は暑くて冬は寒い! 断熱が絶大な効果をもたらすって本当?
窓、サッシ、断熱材。断熱性能を高めるのに必要なもの
――高橋さんがエコハウスで暮らすようになって、感じた変化はありますか? 高橋:一番大きな変化は冬の寒さや夏の暑さ、湿気によるストレスをほぼ受けなくなったことです。家の中が1年中春のような感じなので、2階建ての一軒家に暮らしていますが、エアコンは10畳用の1台だけで十分です。それだけで、冬は家全体が20度以上、夏は25~26度程度を維持することができます。 当然、光熱費も下がり、電気代やガス代が上がった現在でも、過ごしやすい季節であれば、電気代とガス代を合わせ月に約6,000円、真冬でも1万円程度です(※)。 今の家に住み始めてから感じたのは、エアコンはよく悪者のようにいわれますが、悪いのは家の断熱・気密性能だということです。断熱性能が高い家であれば、エアコンをがんがんかけなくても家の中が快適になり、極度に冷え過ぎたり、温度むらが起こったりすることもありません。 ※太陽光発電パネルも併用
――一軒家でエアコンが1台で済むというのは衝撃的ですね……。 高橋:よく驚かれます。あとはかなりひどかったアレルギー性の鼻炎が軽減しました。断熱性能の低い家だと、窓や壁の内側に結露が発生するんです。すると、カビが生えやすくなり、カビをえさとするダニが発生し、ダニへのアレルギー反応が出やすくなるんです。 人によっては断熱性の高い家に住んで、ぜんそくが軽減したという声も聞きますね。 ――断熱性能の高い家というのは、具体的にどんな施工を行うことで実現できるのですか? 高橋:ポイントはいくつかあるのですが、1つには床、壁、天井に断熱材を厚く入れて、外気温や湿気の影響を極力受けにくい状態にすることです。
高橋:また、壁の隙間などを極力なくすことによって気密性能を高めることと、効果的に換気ができるよう設計することも重要です。 断熱というと「冬は暖かいけど夏は暑い」ということを想像する人が多いと思うのですが、どちらかというと冷たいものは冷たく、温かいものは温かく維持できる魔法瓶のようなイメージを持っていただけると良いと思います。 ――他にも断熱性を高める施工はありますか? 高橋:断熱性を高めるために欠かせないのは、窓やサッシの性能です。窓を断熱性能が高いガラスに変え、サッシをアルミから樹脂製や木製に変えることで、窓から入ってくる冬の冷気や夏の熱気を抑えることができ、室内の結露も抑えられるようになります。