難しい英単語を使うよりも好印象…世界のエリートは知っている「place/save/change」の使いこなし術
ビジネスで英語を使いこなすためには、難しい英単語を覚えなければならないのか。製造メーカーでグローバル経営企画に携わり、社会人のための英語コーチも務めるはじさんは「難しい単語や豊富な語彙を使うことが重要と思われがちだが、実際には基本的な単語の“使いこなし方”が効果的な表現を生み出している」という――。 【画像】placeはこんなにもたくさんの意味がある ※本稿は、はじ『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。 ■「economize」は「save money」で伝わる ビジネスや日常のコミュニケーションにおいて、難しい単語や豊富な語彙を使うことが重要だと思われがちですが、実際には基本的な単語の「使いこなし方」が効果的な表現を生み出します。 相手に伝わりやすく、理解されやすいコミュニケーションをとるためには、馴染みのある単語で的確なニュアンスを伝える工夫が欠かせません。 例えば、「commission(発注する)」や「economize(節約する)」といったビジネス用語も使えますが、簡単な表現に言い換えると、「place an order」や「save money」など、シンプルな言い回しでも十分に伝わります。こうした工夫は、相手に親しみやすさを感じさせ、言葉の壁を低くする効果もあります。 単語量が少なくても、組み合わせや言い回し次第で伝えられる範囲は広がります。 基本単語であるplace、save、changeの使いこなし方を紹介していきます。 ■「place」 配置する、発注する、評価する… 実はplaceという単語の意味は「場所」だけではありません。こんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。 コアイメージ:場所 placeは「配置する」「発注する」「評価する」など、多くの意味で使われます。「場所」という根本のイメージから派生して、ものの移動や、会社組織のなかの状態など、さまざまなシーンに応用できる単語です。 表現できる意味①:配置する(locate) 「配置する」の動詞表現はlocateと言います。ここはlocateを使わず、The IT department will placeとすれば、「IT部門は配置します」の意味を、シンプルに表現できます。 ---------- 「IT部門はサーバーを主要なデータセンターに配置します」 難単語 The IT department will locate the servers in a main data center. ↓ 言い換え The IT department will place the servers in a main data center. ---------- 表現できる意味②:発注する(commission) 「発注する」の意味の難単語はcommissionです。commissionの代わりに、placeを使った応用表現place an order forに置き換え、Our team will place an order for a market research report.とします。commissionはplace an order forと同じ意味を自然に表現することができます。 ---------- 「私たちのチームは市場調査報告書を発注します」 難単語 Our team will commission a market research report. ↓ 言い換え Our team will place an order for a market research report. ---------- ■「評価する=rate」も「place」に置き換えられる 表現できる意味③:評価する(rate) 難しい単語のrateを使った例文。このrate【rated】を、placeを組み込んだ表現place【placed】good value onに置き換えます。rateと同じ「評価する」の意味を表現することができます。 ---------- 「顧客は当社のサービスを高く評価しました」 難単語 The clients rated our service. ↓ 言い換え The clients placed good value on our service. ---------- 表現できる意味④:電話を掛ける(telephone) 「電話を掛ける」という動詞表現に使う難しい単語は、telephoneです。これもplaceを組み込んだplace a call toに置き換えられます。Please place a call to the support team.で、「サポートチームに電話を掛けてください」の意味を取ることができます。 ---------- 「サポートチームに電話を掛けてください」 難単語 Please telephone the support team. ↓ 言い換え Please place a call to the support team. ---------- 表現できる意味⑤:場所(property) 名詞で使うpropertyは、「場所」の意味になります。ここも比較的難しいpropertyを使わずとも、placeを用い、We are planning to acquire a new place.と簡単に言い換えられます。 ---------- 「私たちは新しい場所を取得する計画を立てています」 難単語 We are planning to acquire a new property. ↓ 言い換え We are planning to acquire a new place. ---------- placeは一般的によく使用される単語なので、言い換えることで伝えたいことが理解されやすくなります。 例えば、「commission」には「発注する」以外にも「委任する」や「任命する」という意味があり、文脈によっては解釈に迷いが生じることがあります。 「place an order」のほうが、誤解が少なく、シンプルな表現です。 続いて、saveの使いこなし方を見ていきましょう。 ■「save」 救う、保存する、貯金する… 「save」という単語にも、こんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。 コアイメージ:失わないようにする saveは「救う」「保存する」「貯金する」などの意味で使われます。財産や組織、人の命、大切な何かを失わないように保っておく状態を表現するのに、便利に使える単語です。 表現できる意味①:救う(rescue) 「救う」の難しい単語は、rescueです。「救う」というのはrescue【rescued】でなくても、save【saved】で同じ意味が表現できます。 ---------- 「社長のビジョンが会社を救いました」 難単語 The CEO’s vision rescued the company. ↓ 言い換え The CEO’s vision saved the company. ----------