外では「良いパパ」とほめられるのに…発達障害がある人が自宅では「まるで別人」になる深いワケ
発達障害がある夫との関係に悩み、「カサンドラ状態」に苦しんだ漫画家・野波ツナさんは、日々の生活体験と専門家への取材を通じて、発達障害っぽい特性が色濃くある「あの人」と上手に付き合う数々の知恵を集めることができた。その集大成ともいえる著書のなかから、この記事では必ず念頭に置いておきたい最も重要なポイントを厳選してお送りする。 【画像】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待「すべてが壊れた日」 前編記事〈偏頭痛、不眠、バセドウ病まで発症…発達障害がある夫との関係に病んだ私を救った意外な「気づき」〉より続く。
まずは「最大公約数」を押さえる
私は2024年6月に実用書『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』を出版しました。これはアキラさんとの生活体験や、専門家への取材をもとに書いた本です。診断の有無にかかわらず、発達障害っぽい特性が強く出ている「あの人」と上手に付き合うための65にも及ぶ知恵、ノウハウ、心の持ち方を載せました。 この記事ではその本のなかから、「これだけは知っておいてほしい!」というものを厳選してお送りします。「あの人」を都合よく操るための方法ではありません。誰だって身近な人とうまくやっていくために、いろいろな関わり方を試すことと思います。それと同じで、個性的な「あの人」との関わり方の例を、できるだけ具体的に記しました。 実際に使ってみると、効果があるものも、ないものもあると思いますが、それでも〈これはダメだ〉と捨ててしまうのではなく、心の片隅に置いていただき、目の前の「あの人」の個性に合わせながらアレンジしてみたり、あるいは別の状況でもう一度ためしてみたりと、そんな使い方をしてもらえればいいな、と思っています。 目の前の気になる「あの人」を知るうえでは、似たようなタイプに共通してみられる考え方・感じ方の特徴──たとえて言うなら「最大公約数」──をまず押さえておくと便利です。そうすることで、なぜそんな行動をするのか、なぜそんな反応をするのか、理由を推測しやすくなると思います。 いくつかある「最大公約数」のうち、ここでは私の経験上、必ず押さえたほうがいいと思うものだけを紹介します。