インカレ男子展望「日体大の3冠なるか!? 白鷗大や東海大らが雪辱狙う」
高いオフェンス力を武器に2冠目を奪取した日体大
大学界の頂点を競う全日本大学選手権大会(インカレ)。いよいよ本日からトーナメントがスタートした。男子は過去3年連続、東海大と白鷗大が決勝に上り詰めたが、今年は“3冠”を狙う日体大や、米須玲音が本格復帰した日本大なども王座奪還を狙う。果たして今年のチャンピオンはどのチームになるか? ※開幕前の情報で書いたものです 【表】インカレ2024男子トーナメント表 男子のインカレを占う上で、毎年最も注目されるのは関東ブロック。というのも、過去75回のインカレの歴史を振り返っても、関東勢以外が優勝したことは一度もないからだ。関東リーグはインカレよりも歴史が長く、今年で記念すべき100回目の開催。そんな節目を迎えたこの秋も、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。 2か月に及ぶリーグ戦を19勝3敗で戦い抜き、インカレの第1シードを手にしたのが日体大だ。今年は2年前の関東新人を21年ぶりに制した代が、4年生になった勝負の年。1巡目で東海大に4点差で敗れ、2巡目には東海大、白鷗大にそれぞれ2点差で競り負ける悔しい週もあったが、それ以外の試合では着実に白星を重ねた。日体大のOBでもある藤田将弘監督は「長い時間がかかりました…」と感無量の様子。前回の優勝は大野篤史氏(三遠ヘッドコーチ)が最優秀選手だった1999年大会で、実に25年ぶりの偉業達成となった。 今年のチーム最大の武器は、高いオフェンス力だ。藤田監督は常々、「80点以上取って試合を作るのがコンセプト」と語るが、実際、リーグ戦では1部トップの平均86.4得点。2位の日本大ですら平均76.3得点なので、驚くべき数字だ。ガード陣が速い展開を作り、中からは#23ムトンボ・ジャンピエールや#1コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードが、外からは#4小澤飛悠や#7西部秀馬らが得点する。日本人選手は全員3Pシュートを打てるため、相手にとって止めどころがなく厄介だろう。 また、今年は大きなケガ人を出さなかったことも勝因の一つ。それには過去の学びがあり、藤田監督は「去年は春のトーナメントで優勝しても、リーグ戦でケガ人を出してインカレでも結果が出なかった。今年はそうならないよう、タイムシェアを意識しました。個人スタッツの出場時間ランキングで、今まではうちの選手が上位を占める年が多かったですが、今年はなるべく選手が入らないよう気を付けました」と明かす。特に貢献度が大きかったのは、藤田監督が「感謝の3人」と評する#3土家拓大、#9大森尊之、#10早田流星で、「彼らがいるからスタートの5人に思い切りプレーさせられたし、安心して交代できました」。 春のトーナメント、秋のリーグ戦を制し、残すは冬のインカレ。藤田監督は「もちろん3冠を目指す」としつつも、「自分たちは王者ではない。弱さを認め、仲間と助け合ったからリーグ戦は優勝できました。インカレでも同じように挑戦者として戦います」と気を引き締めていた。