70歳までバリバリ働くつもりが、60代を目前に病気で退職。夫も急性心不全で倒れ退職し、想定外の夫婦2人年金生活に。日々の暮らしをYouTubeで配信
◆離婚の危機を乗り越えて 転居後の生活が落ち着いた2020年3月、62歳でユーチューブ・チャンネルを開設しました。まったくの初心者が普段の暮らしを紹介するだけの動画に、思いのほか多くの方が興味をもってくださり、びっくりするやら、ありがたいやら……。 世界各地からいただくコメントを更新の励みにしていますが、しばしば夫も登場するせいか、「理想的なご夫婦ですね」と褒められると照れくさくて(笑)。というのも私たち、ずっと円満だったわけではないんです。50代のときには、真剣に離婚を考え、4年ほど別居していました。 やり直すきっかけの一つは、私が夜中に尿管結石で救急搬送されたこと。駆けつけてくれた夫の顔を見たら心底ほっとして、その存在の大きさに改めて気づいたのです。 今でもイライラしたら言い合うことがありますが、ふと「あと何年、一緒に過ごせるだろう?」と考えるように。すると不思議と怒りや不満が消えて、この人との時間を大切にしたいと思えるんです。
そんな夫とは、月初めに近所の氏神さんに「お朔日(ついたち)お参り」をしたり、のんびり西国三十三所を巡ったりしています。かつて両親がお参りする姿を見て、「何が楽しいの?」と冷ややかに見ていたくせに、自分たちもまったく同じことをしているなんてね(笑)。 西国巡りは費用も大してかかりませんし、労力も現地の混み具合も、私たち世代にとって「ほどよい」んです。お参りのついでにおいしいお昼ごはんを食べて、感じのいいカフェに寄るぐらいが疲れすぎなくてちょうどいい。(笑) そう思うと年齢を重ねるにつれ、特に我慢なんてしなくても、節約生活になっていくのかもしれません。実際、私たち夫婦も食べたいものや訪ねたい場所が、若いころとは変わりました。 刺激の多い都会に行くより、静かな境内で心身をリフレッシュするほうがずっと満足度が高くて。お朔日参りや西国巡りに限らず、日々の小さなルーティンに幸せを見つけられれば、限られたお金でも楽しく暮らせる気がします。 とはいえ、私たちはお芝居やコンサート通いも共通の趣味。チケット代は決して安くないけれど、年に何回かは楽しみたいと思っています。そのためにも、さらにメリハリのあるお金の使い方をしなくてはいけません。
【関連記事】
- 田舎暮らしYouTuber、50年前に祖父母が建てた母屋を1LDKに改築。1年かけて完成した新居で、最もお気に入りの場所は…
- 69歳ひとり暮らし、八ヶ岳の一軒家で年金月3万円の生活とは?「森に暮らして30年。手作りと物々交換が基本」
- 72歳YouTuber・ロコリさん。年金+バイト代の月8万の暮らし「ユニクロ、GU、しまむら、メルカリ…宝探し感覚でおしゃれを楽しんで」
- 多良美智子 87歳、団地一人暮らし。孫に教わり85歳でユーチューバーに。日常動画は「年をとっても希望が持てる」と60代女性から反響
- 「一生モノ」がなぜか「一生手放してはいけない」との執着に…ミニマリストYouTuber「たくさん着るつもりなら、むしろ手頃な商品を選んでも」