70歳までバリバリ働くつもりが、60代を目前に病気で退職。夫も急性心不全で倒れ退職し、想定外の夫婦2人年金生活に。日々の暮らしをYouTubeで配信
60歳を目前に病で退職したことで、生き方が一変したというpokkomaさん。昨年には夫が病に倒れ、現在は、正真正銘の年金生活者に。けれど将来の不安はそれほどないと言います(構成:野田敦子 撮影:下村亮人) 【写真】コンパクトでも小物にこだわったキッチン * * * * * * * ◆突然始まった年金だけの生活 大阪近郊の住宅地に立つ3LDKの中古マンションに、夫と2人で暮らしています。60歳を目前に病気を患い退職。その2年後に、将来を考えて住まいをコンパクトにしようと、以前の家を売り、このマンションを購入して越してきました。 最初のうちは、駅からの距離や台所の狭さが不満でしたが、住めば都とはよく言ったものですね。今では、南向きの明るいリビングや山の稜線が眺められるベランダが気に入っています。 かつての私は、今とはまるで別人のような仕事人間でした。働いていた設計事務所で勤務中に倒れるまでは、深夜に帰宅するなんて日常茶飯事。会社に泊まり込むことも珍しくなかったのです。 子育ても仕事もして、スキューバダイビングにのめり込んだり、サックスのレッスンに夢中になったり、パッチワークに根を詰めたりと、休日もフル回転。それでは、体も壊しますよね(笑)。 収入もそれなりに、でしたけれど、その分出費も凄まじかった。病気になって初めて、立ち止まることができました。少なくとも70歳までは働いて老後に備えるつもりでしたが、このときに、もっとゆったり残りの人生を楽しもうと、気持ちを切り替えたのです。 私が仕事を辞めたあとは、家を買い替えたほか、2台あった車を軽自動車1台にしたり、生命保険の死亡保障額を半分にしたり。支出を削り始めていたものの、夫はまだ働いていたため、毎月いただくお給料と夫の年金もありましたから、そう不自由な暮らしではありませんでした。
本格的に節約を意識しだしたのは、昨年2月、夫が急性心不全で倒れて仕事を辞めてから。私も65歳になり、夫婦2人、正真正銘の年金生活が始まったのです。収入が減ったにもかかわらず、夫の医療費はかつての何倍にも膨らんで。家計簿とにらめっこし、とりあえず食費から手をつけることにしました。 というのも、わが家は食費の占める割合が大きくて(笑)。夫婦2人で月10万円前後って、かなり多いですよね? ですから、買い物に行く回数を週1回に減らし、不要なものは買わないように。 家にある食材を今まで以上に意識して使いきるようにしたら、月5~6万円と約半分にまで減りました。工夫次第で何とかできるものですね。今では、独立した3人の子どもたちが家族を連れて帰ってきても、予算内に収まっています。 食費以外で節約しているのは、洋服代でしょうか。今はもっぱらスーパーの衣料品売り場やアウトレット、フリマアプリを愛用しています。手ごろな価格の中から、着心地がよくて「気持ちの上がる服」を探すのが、楽しいんです。通信費も、スマホの契約を大手キャリアから格安SIMに替えてグンと安くなりました。 一方、あまり減らせないのが交際費かもしれません。私は、「お金をかける交際」と「お金をかけない代わりに手間をかける交際」とに分けて考えるようにしています。 前者は、冠婚葬祭や孫の祝いごとなど、人生の節目に関わるお付き合い。それなりの金額を気持ちよく出したいので、私のわずかなへそくりから補うこともよしとしています。 後者は、親しい人たちとの日常的なお付き合い。手作りしたケーキに、小さな季節の花束を添えたら、有名パティシエのケーキにも勝るというのは言い過ぎかもしれませんが(笑)、温かな気持ちが伝わるのではないでしょうか。私は、相手の方の喜ぶ顔を思い浮かべながらキッチンに立つ時間も楽しんでいます。
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