<独自>横浜市、大会運営維持のため補助プール建設を検討 横浜国際プール再整備計画問題
夏はメインプール、冬は体育館として利用されている横浜国際プール(横浜市都筑区)のメインアリーナを通年で体育館化し、メインプールを廃止する再整備計画案をめぐり、横浜市がサブプール用の補助プールを新たに建設する方向で調整していることが18日、関係者の話で分かった。メインプールで開催されている主要大会をサブプールで実施できるようにすることが目的だが、観客席数などの課題は残り、どこまで現状のまま大会が実施できるかは不透明という。 【別カット】横浜国際プールのメインプール ■主プール廃止で大会運営に支障も 横浜国際プールにはメインアリーナ、サブプール、トレーニングルームなどがあり、メインアリーナは5月上旬から9月下旬にはプール(メインプール)、10月中旬から4月上旬にかけてはスポーツフロア(体育館)としてバスケットボールBリーグの会場などに利用されてきた。 令和3年度の包括外部監査では、プールから体育館への床転換に年間約5100万円かかることや転換作業によって約2カ月の利用休止期間が生じる点が問題視され、メインアリーナはプールか体育館のいずれかに一本化すべきだとの提案がなされた。 市スポーツ振興課は今年、通年で体育館とする再整備計画案を公表したが、神奈川県水泳連盟などは反対している。 全国大会の予選に該当するような県レベルの主要大会の開催には、50メートルプールのほかに練習用の補助プールが必要となる。メインプールが廃止されると、県内の屋内プールでそれらの大会が開催できるのは相模原市立総合水泳場と平塚総合体育館だけになり、実施できなくなったり規模が縮小されたりする大会が生じる可能性があるとして、計画の見直しを求めている。 ■サブプールはレーンや客席数に課題 これらの状況を踏まえ、同課ではメインプールを廃止してもサブプールで県レベルの大会が開催できるようにするため、新たに補助プールを建設する方向での検討を始めた。 ただ、補助プールをどこに建設するかは未定。レーン数もメインプールの10に対し、サブプールは8しかない。大会開催時には関係者の控室の役割も果たす観客席数もメインプールの約4千席に対し、サブプールは増設しても700程度が限界になるという。
このため、現在メインプールで開催されている主要大会すべてが現状の規模で実施できるかは不透明で、整備費用も不確定要素が多くて見通せない状況とみられ、今後の動向が注目される。