【宇宙はどんな形?】宇宙の大きさは有限か?無限か?「3次元空間」が「4次元空間」の中で曲がっているってどういうこと
4次元空間R4の中のある時刻の3次元空間R3
球体を3次元空間R3の中に置きます(図5)。 ここで言葉の整理をしましょう。球体は中身が詰まっていますが、球面は中身が詰まっていません。 この3次元空間R3を「4次元空間R4の中のある時刻の3次元空間R3」と見なします。すると上記の球体は4次元空間R4の中に置かれています。
4次元空間R4の中で「球体」を曲げる!
次に、「曲げる」という言葉について説明します。 以前に、3次元空間を4次元空間の中で曲げられると言いました。3次元空間をさらに高次元の空間で曲げることも可能だとも言っています。 さきほどの図4をもう一度見てください。下の図6は、図4を1次元上げた例です。 これまでの記事でも紹介したので、もうイメージができるでしょうか。 ここでは、4次元空間R4は「たて・よこ・たかさ・時間」で特徴づけられるものとして、「4次元空間R4の中の球体」を時間軸に沿って切った切り口を描いています。 図6を矯(た)めつ眇(すが)めつしてください。次に進む前に、もう一度、次元を1つ下げた話をします。
3次元空間R3と2次元球面で考えてみると
円板を2枚用意します。円板は中身が詰まっています。さきほどと同様に、伸ばしたり、曲げたりすることも可能です(図4.7)。 では、この2枚の円板を境界の円周がぴったり合うように貼り合わせてください。このとき、境界以外は自分とも相手とも接触しないとします。同一視によって新図形を作るわけです。皆様はすでにおわかりだと思います。 それぞれの円板を曲げて半球にすればできます。もちろん、貼り合わせた図形は球面になります(図8)。
この球面をスライスした切り口は!
この球面をさきほどのようにスライスした切り口を見てみましょう。これは、図9のようになります。 それぞれの円板を曲げて半球にすればできます。もちろん、貼り合わせた図形は球面になります(図8)。
4次元空間R4と3次元球面
では、次元を1つ上げて考えます。じつは、これこそが「大きさは有限。しかし端がない。ある点からどんどん進んで行ったらもとに戻ることがある」という宇宙モデルのひとつです。 今度は、球体を2個用意します。境界は球面です。この2個の球体を境界の球面同士でぴったりと貼り合わせます。このとき、境界以外は自分とも相手とも接触しないようにします(図10)。また、貼り合わせた境界同士はぴったりとくっつき境界がわからなくなるとします(そうなるような理想的な状況を考えます)。同一視によって新図形を作るわけです。新図形は、自己接触ないようにできるでしょうか。 これは3次元空間R3の中では見るからに無理そうです。実際、不可能なことが知られています。しかし、4次元空間R4の中では可能です。
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