【宇宙はどんな形?】宇宙の大きさは有限か?無限か?「3次元空間」が「4次元空間」の中で曲がっているってどういうこと
宇宙最初の1点に無限のエネルギーがあったら?
では、もし宇宙の最初の(ほぼ)1点に無限のエネルギーがあったのならどうでしょうか。このときは重力も無限になってしまい、おそらく宇宙の初期に起こった爆発は起こりえないでしょう。宇宙全体のエネルギーは有限であった方がいいような気がします。そうなると宇宙の大きさも有限であった方がいいような気がしませんか。 宇宙の大きさが有限だとしたら、「では、宇宙の『端っこ』はどうなっているんだ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 今から紹介するのは、「宇宙の大きさは有限。しかし端がなく、端から飛び出すこともない。そのため、ある点からどんどん進んで行ったらもとに戻ることがある」という性質を持つ宇宙のモデルです。 この宇宙が本当にそうかどうかは、現在の実験では確かめられそうにありませんが、このモデルは数学的に確かなものではあります。
地球の表面は「平面」それとも「球面」?
大昔の人は、大地は広い平面だと考えていました。しかし実際には、大地はほぼ球面でした。 球面は、小さい部分だけを見たら小さい平面です。少し曲がっていますが少しなので気づきません。その小さい平面だけ見て推量したら全体は「無限に大きい平面か」と思いますが、そうではなく球面でした。 部分だけ見て「小さい平面」だからといって、全体が「無限に大きい平面」だとはかぎらないということです(図2)。 ではこの話を、次元を上げて考えていきましょう。
3次元空間が4次元空間の中で曲がっている
円板を考えてみましょう。この円板はゴムのように引っ張ったり、伸ばしたりすることができます。序章でも見ましたが、この円板を3次元空間R3の中で曲げて「半球面」にできます。 図3では説明しやすくするために、半球面は少々伸びています。また、3次元空間R3には、x, y, t軸を描いています。 では、この半球面を、3次元空間R3の中でt軸に垂直な平面、何枚かで切った場合、その切り口はどうなるでしょう。 図4.4のように切ると t が小さい方から最初は点で、その後は円周になります。 では、これも次元を上げた類推をしましょう。この類推では円板を球体に、3次元空間R3を4次元空間R4(*アールフォー:Rは二重線、4は肩付き)に替えます。
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