医療従事者に「少なくともお金くらいは」 分科会が“非常に強調した”財政支援
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は11日、分科会の開催後に記者会見し、感染状況の悪化と医療提供体制のひっ迫から、全4段階のうち2番目に深刻な「ステージ3」に相当するとされる地域での今後の対策について政府に提言した内容を発表した。その中で、尾身会長が「非常に強調したところ」「(分科会内の議論で)かなり強い意見だった」と語ったのが医療・介護従事者らに対する財政支援だ。
尾身会長は「医療関係者の人と話す機会がしょっちゅうあるが、みなさん疲弊して限界になっている」と切り出すと、「一生懸命、身を粉にして働いていて、仕事で忙しく、『自分が感染しているかも知れない』という思いもあるので、なかなか他の人や家族に会えない。もちろん帰省も控えている。そういう中で、多くの医療関係者はボーナスなんかも低くなっている、危険手当も十分じゃない」と医療従事者らが置かれた現状を説明した。 他方、すでに政府から医療機関に対する支援があることにも触れ、「政府の方には色々やっていただいている」とも指摘。また、「医療関係者の人はお金のために働いているということは(なく)、本当に使命感で働いていると思う」「お金だけで医療関係者の人は頑張っていない」などとも語った。 ただ、もろもろの事情を勘案した上でも「われわれの分科会、経済(の専門家)の人も入っているが、これは少しいままで通りの延長ではなかなか難しくなって(いると判断した)」と主張した。「少なくともお金くらいは。これだけ(新型コロナ対策のための)財政、予算を増やそうとしているのでそれくらいは。従来のままではおそらく医療関係者は、自分らがサポートを受けているという感じがないと思う。強力な、いままでとは別のレベルの財政支援を」と訴えた。